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今シーズンのノーヒッター達成者は、2人とも2012年のドラフト入団。ただ、それぞれの指名順位は……

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレック・ミルズ(シカゴ・カブス)のノーヒッター直後 Sep 13,2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月13日、アレック・ミルズ(シカゴ・カブス)がノーヒッターを達成した。ミルウォーキー・ブルワーズを無安打に封じ、四球による3人しか出塁させなかった。先発登板は通算15試合目。それまでは、完投どころか8イニング目のマウンドに上がったこともなかった。

 今シーズンのノーヒッター達成者は、8月25日のルーカス・ジオリト(シカゴ・ホワイトソックス)に続き、ミルズが2人目だ。どちらも2012年のドラフトで指名され、プロ入りした。

 ただ、指名順位はかけ離れている。ジオリトは1巡目・全体16位(ハーバード-ウエストレイク高→ワシントン・ナショナルズ)、ミルズは22巡目・全体673位(テネシー大マーティン校→カンザスシティ・ロイヤルズ)だ。高校卒業時のミルズは、ドラフトで指名されていない。

 ジオリトのノーヒッターは、通算79先発目だった。昨シーズン、完封を2度記録している。

 調べたところ、ドラフトで入団し、ノーヒッターを達成した投手(継投を除く)は73人いた。そのうち、24人(32.9%)は全体25位までに指名されている。ちなみに、全体2位は3人いるが、全体1位はいない。

 一方、全体500位以降の指名は10人(13.7%)。全体2位~25位の半数未満だ。だが、指名順位からすると、少なくない気がする。しかも、10人中4人は、ノーヒッターを2度記録している。

筆者作成
筆者作成

 なお、パーフェクト・ゲーム(完全試合)の達成者は、全体25位までも、全体500位以降も、それぞれ3人。前者は、2010年5月29日のロイ・ハラデイ(1995年の全体17位)、2012年4月21日のフィリップ・ハンバー(2004年の全体3位)、2012年6月13日のマット・ケイン(2002年の全体25位)だ。後者は、リストのとおり。達成日の後ろに**がついている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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