仕事を終えた経営者、下校する児童と保護者、里帰り中の妊婦、ロードバイクの旅人。「こだわりのおやつ べつばら」には、ひっきりなしに、さまざまな人が訪れます。お菓子がいっぱいに並べられたコンテナショップはメルヘンの世界。

コンテナには多くのラインアップ

網干区垣内西町の住宅街にショップがあります。ロゴが目に飛び込んでくるので、迷うことはなさそう。

コンテナにはマフィン、スコーン、チーズケーキ、あんバターサンド、カトルカール、サブレ、クッキーにスムージー、季節限定のかき氷や梅ジュース、梅サワーをはじめとするお菓子やドリンクが。「コンテナのショーケースからお菓子を選ぶ」というおしゃれなシチュエーションに千姫うっとり。

コンテナはJR貨物を改造したもの。本来のあずき色から、「おいしそう」とのことでクリーム色に塗り替えられました。

オーナーの大野純子さんの実家は、明治22年から続く網干区の和菓子店「御菓子司 浪花堂」です。「マフィンやスコーンの種類の幅を広げ、スムージーやかき氷の提供をしたい」と2021年7月、自宅前にオープンしました。

米粉マフィンと変わり種スコーンも

コンテナ内の厨房を動き回ったり、小窓から顔を出して接客したり、1人で対応している大野さん。高校生のときから両親を手伝っていたというだけあって、すべてがスムーズに進んでいきます。

商品はまんべんなく人気があるようです。千姫はマフィンとスコーンとかき氷をピックアップしました。
大野さんは「食材に気を使っている」と話し、マフィンは国産小麦粉を使った19種類（350円～）とは別に、淡路島産の細かい米粉を使用したもの6種類（360円～）を作っています。自家製甘酒で甘みを出してブラウンシュガーは控えめ。

スコーンは約20種類（260円～）。「トマト」や「しょうが」といったスコーンと合わせるのには珍しい食材も。

生地との相性がよく“すっ”といただける「トマト」。ピリッと少しパンチを利かせた「しょうが」はユニークな味わい。熊本県産生姜で作った自家製生姜糖が入っているのですよ。

クロテッドクリームを入れて焼きあげた「クロテッドスコーン」は高級感があります。大野さんの手にかかると、コクがありながらも上品な仕上がりに。

“あらかじめシロップ”に救われる！

自家製シロップのかき氷は「キウイ」「イチジク」「すもも」「ゆず」など7種類。
千姫は「すもも」をチョイス。たつの市御津町で農薬を使用せずに栽培している農家のすもも。これまでの人脈を生かして厳選した果物を仕入れています。木で熟している状態を収穫し、その日にカット。種を取り、砂糖と炊いて酵素を出し、シロップを完成させます。

すっきりしたすももの酸味とトッピングのミルクとが調和している。果肉の歯触りもあって満足。で、「追いシロップしたいなぁ」と感じたころに、現れたシロップ。
そうか、時を戻そう。

かき氷を作っている途中、あらかじめ、氷の中間地点にシロップを入れていたのを目撃したではないか。「最後まで楽しめるように」と大野さん。なんと気が利いているのでしょう。
「追いシロップ」ならぬ「あらかじめシロップ」、最高！