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今年の村上宗隆のように、歴代の三冠王は「出塁率」「長打率」「OPS」も1位だったのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
村上宗隆 JULY 31, 2021(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)は、打率.327、44本塁打、107打点に加え、出塁率.457や長打率.723なども、リーグ1位に位置している。出塁率と長打率がどちらも1位ということは、当然ながら、この2つを足したOPS1.180もトップだ。

 これまでの三冠王の多くも、今シーズンの村上と同じように、出塁率と長打率(とOPS)が1位だった。ただ、なかには、そうではなかった三冠王もいる。

 三冠王を含む、そのシーズンの各部門リーグ・トップ2の数値は以下のとおり。出塁率は、現行の計算方法、「(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)」による数値を表記している。

筆者作成
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 1965年のパ・リーグで三冠王となった野村克也は、出塁率.397、長打率.637、OPS1.034のいずれも2位。3部門とも、野村の上にはダリル・スペンサーがいた。出塁率.423、長打率.649、OPS1.072を記録した。ちなみに、野村に次ぐ、打率とホームランの2位は.311と38本のスペンサー、打点の2位は88打点の張本勲だ。1984年のパ・リーグ三冠王、ブーマー・ウェルズは、出塁率.421がスティーブ・オンティベロスの.443に次ぐ2位だった。

 また、1985年のセ・リーグは、出塁率1位と2位の差がほとんどなかった。三冠王のランディ・バースは.4280…、吉村禎章は.4275…なので、小数点第4位を四捨五入すると、どちらも.428となる。

 なお、現時点におけるセ・リーグの各部門2位は、打率.325の佐野恵太(横浜DeNAベイスターズ)、24本塁打の岡本和真(読売ジャイアンツ)、73打点の大山悠輔(阪神タイガース)、出塁率.378の宮﨑敏郎(ベイスターズ)、長打率.530の牧秀悟(ベイスターズ)、OPS.888の佐野だ。この6部門中、打率以外の5部門は、村上が2位に大差をつけている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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