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Jリーグ、メンバー交代5人制が面白い。有効に活用しているチームとしていないチーム

杉山茂樹スポーツライター
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 メンバー交代枠が2人から3人に拡大されたのは、W杯で言うならば1998年フランス大会からだ。これを機にサッカーの概念は大きく変わった。

 監督が采配を振るチャンスが1回増えれば、監督の力が結果に反映する割合も、その分だけ増す。

「サッカー監督は試合が始まってからは無力ですから」

「実際に試合をするのは選手たちですから」

 これまでそうした台詞を吐く日本人監督を何人も目にしてきた。監督を擁護する立場にある人も使用しがちだった、しかしこの概念は、98年以前のものだ。常套句としての神通力は、すでに失われた状態にある。

 3度使用可能な交代機会をフルに使う監督と使わない監督。どちらが優秀な監督かと言えば、前者だ。使わないは使えないを意味している。交代枠を余して敗戦すれば、なぜ手立てを講じられなかったのかと、監督に懐疑的な眼が向けられる。あまり言いたくないけれど、ロシアW杯対ベルギー戦がそれに当たる。西野監督は2人しかメンバーを代えずに大逆転負けを許した。現監督の森保氏もメンバー交代を得意にしていない。概して遅い。

 3人から2人増え、交代枠5人制で行われているコロナ禍の現行サッカーは、監督の能力がいっそう結果に反映しやすくなっている。交代枠は有効に活用されているか否か。

 再開して3試合を消化したJ1リーグ、各チームの状況はどうだろうか。3試合×5人。3試合で選手交代は延べ15人可能だった。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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