来週は東北地方太平洋側でも積雪・極端な低温のおそれ
東北地方の太平洋側、特に宮城県の平地において、冬に雪がないのは当たり前のことですが、その中でも今年は特に雪が少ないと感じている方は多いようです。実際、データにも表れていて、仙台の累積降雪量は2センチと、平年の1割強にとどまっています。筆者も、この冬は、雪道を歩いた記憶がほとんどありません。
寒気にインパクトがない
この冬は、冬型の気圧配置が長続きせず、雪を降らせるインパクトのある寒気の南下がまだ見られないことが、平地に雪が降らない一因だと考えています。
宮城県で雪が降るのは、①奥羽山脈を越えて雪雲が流れ込む、②南岸低気圧、の大きく2パターンがありますが、強い寒気によって雪が降るのは①のパターンです。
下のグラフは、秋田上空5500メートル付近の寒気の強さを、昨シーズンと今シーズンで比較したものです。この付近の寒気が強いと、雪雲の背が高くなり、奥羽山脈を越えやすくなります。
昨シーズンは、-40度前後のかなり強い寒気の南下が数回見られましたが、今シーズンはまだ1回だけで、ここ最近は目に見えて気温が高くなっています。
ちなみに、昨シーズンは、強い寒気が南下したタイミングで頻繁に雪雲が流れ込み、大雪こそなかったものの、雪の降る回数が多い冬でした。
(昨シーズンの様子はこちら→「今年の仙台は雪が多い? その特徴と今後の見通し」)
来週は東北地方太平洋側でも積雪・低温に注意
鳴りを潜めていた寒気ですが、来週、かなり強い寒気が南下する見込みです。
現時点での予想ですが、秋田上空で-40度を下回るような強い寒気が、24日(火)~25日(水)あたりに流れ込んでくる見込みです。日本海側はもちろん大雪のおそれがありますが、こうなると、東北地方の太平洋側にも雪雲が流れ込んでくる可能性が大いにあります。
しかも、1500メートル付近(下層)の寒気も強いため、地上の気温もかなり低くなる予想で、雪雲が流れ込んできた場合は、あっという間に積もり、路面はガチガチに凍結するおそれがあります。
今シーズン、平地ではまだそういった状況がほとんどないため、車の事故などが多発するのではないかという懸念があります。来週は、これまでとはがらりと様相が変わりそうですから、十分にご注意ください。
なお、雪雲がどこにどの程度流れ込むかは、現時点ではまだお伝えできるほどの精度がありませんから、今後も最新の予報をこまめにチェックしていただきたいと思います。