東北地方も梅雨入り 短期集中型の大雨と猛暑に注意
6月23日、気象庁から、東北南部・北部の梅雨入りが発表されました。平年と比べて、南部は11日、北部は8日、それぞれ遅れての梅雨入りとなりました。梅雨前線の北上が遅く、どの地域も梅雨入りが遅れた、ということが、今年の梅雨の一つの特徴です。
今後は前線北上のペースが加速か
上の図は、今後1か月間(7月19日まで)の、日本周辺の気圧の分布を表したものです。暖色は平年より気圧が高いところ、寒色は低いところを表しています。特徴的なのは、沖縄~九州南部あたりに、濃い黄色の部分があることです。これは、この付近で高気圧が強まることを表しています。逆に寒色の気圧が低い部分は梅雨前線に対応している部分と思われますが、それは北日本付近まで北上していることがわかります。
今後は太平洋高気圧が強まることで、梅雨前線が一気に北上し、東北地方でも早い段階から雨が降りやすくなってくる見込みです。この先1週間ほどは、東北地方はまだそれほど雨は降りませんが、7月に入った途端に、梅雨らしい天気になってくる予想です。
短期集中型の強い雨に注意
もう一つの今年の梅雨の特徴として、高気圧の西への張り出しが強いことが挙げられます。西への張り出しが強いと、それだけ日本付近には暖かく湿った空気が流れ込みやすく、大雨の原因となります。
それを裏付けるのが、すでに梅雨明けした沖縄と奄美の降水量です。いずれも梅雨の期間は平年より短かったものの、降水量は、那覇で平年の約3.5倍(平年316.6ミリ、今年1095.5ミリ)、名瀬で平年の約1.4倍(平年463.7ミリ、今年627.5ミリ)の雨が降っています。短い期間に集中的に雨が降ったというわけです。
今後もこの傾向は続くとみられ、最新の1か月予報では、日本海側の地域で軒並み降水量が多い予想となっています。西へ張り出した高気圧の縁を回って、暖かく湿った空気が日本海側を中心に流れ込むことの裏付けです。
東北地方でも日本海側を中心に、短期集中型の強い雨が降りやすくなる可能性があり、大雨にも十分な注意が必要と言えるでしょう。
晴れたら猛暑
梅雨と言っても、毎日雨が降り続くわけではなく、梅雨前線の活動が弱まったり、一時的に北上、南下することによって、晴れる日もあります。
今後、高気圧が張り出しを強めることで、晴れた日には猛暑になることが予想されます。今後1か月間の平均気温は、全国的に高い傾向で、低い確率はほとんどありません。予報の精度が非常に高いことの表れです。
今年の梅雨は、弱い雨が降り続くというより、東北地方でも、雨が降る時には強い雨が降る、梅雨の晴れ間は猛暑になるという、メリハリのあるパターンになるかもしれません。