目視観測終了 自動化初日に降ったものは、雪だったのか、みぞれだったのか…
3月26日、全国9つの気象台(札幌・仙台・新潟・名古屋・広島・高松・福岡・鹿児島・沖縄)で、ついに目視観測が自動化されました。
概要については前回の記事「3月26日 主要な気象台でも目視観測終了へ 仙台は約100年の歴史に幕」をご覧いただきたいと思いますが、その自動化初日、仙台では、いきなり自動観測の精度が問われる天気になりました。
自動判別は、完全な雪ではなく「みぞれ」
仙台はこの日、南岸低気圧の影響で、朝から雨が降っていました。正午の時点で気温は3.9度。この時はまだ雨です。しかしその後、1時間で3度気温が下がり、13時には0.9度。降ってくるものが、雨から次第に "雪のようなもの" に変わってきたのです。その後は気温はほぼ横ばいで、"雪のようなもの" が降り続き、道路にもうっすらと積もり始めました。
この "雪のようなもの" は、機械では「みぞれ」と判別されました。その後も一貫して「みぞれ」で、完全な「雪」という判別にはなりませんでした。
私の職場から気象台までは、直線距離で2.5kmほど離れており、気象台の方が海側にあります。また、標高も気象台の方が若干低くなっています。それを考えると、気象台ではもう少し雨が混じるような降り方であった可能性はあります。問い合わせをしたところ、「降水の落下速度の速いもの、遅いものが混在している」ような状況だったようで、私の職場周辺とはやや降り方が違っていたのかもしれません。
目視と自動観測、どちらがいい悪いということではありませんし、今回降ったものが雪でもみぞれでも、今後に大きく影響するものでもないでしょう(シーズン最後の雪(雪の終日)であったとしても、雪とみぞれは同じ扱い)。ただ、目視観測であったらどのような判断がなされていたのか、今となっては知る由もないのが少し残念なところです。
東京と大阪で目視観測が継続されるのは、目視と自動観測を比較をする意味合いもあると聞きました。人間と機械のある種のつばぜり合いのようなものが、今後もしばらく続いていくのだろうと思います。