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4階級制覇王者vs.元WBCライト級チャンプ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月20日、スーパーフェザーから4階級を制したエイドリアン・ブローナーがフロリダのリングに上がる。2019年1月19日にマニー・パッキャオに敗れ、昨年2月に再起して以来となる1年半ぶりのファイトだ。

 対戦相手は、元WBCライト級王者であるオマール・フィゲロア・ジュニア。32歳同士の戦いとなる。SHOWTIMEでの放送も決定した。

写真:ロイター/アフロ

 オハイオ州シンシナティ出身で、34勝(24KO)4敗1分けのブローナーは言う。

 「フィゲロアをKOしてやるぜ。ヤツは汚い戦いをするよな。いつもおぞましいファイターだと思って見てきた。あいつのパンチが俺にクリーンヒットするとは思えない。まぁ当日を楽しみにしてくれ。俺もぶっ倒れるまで練習しているから、オマーもやっておけよ」

 パックマンだけでなく、アントニオ・デマルコ、ポール・マリナージ、マルコス・マイダナなど、トップファイターと対戦してきた。そのキャリアをいかに生かすか。

2015年5月9日、リッキー・バーンズ戦のフィゲロア
2015年5月9日、リッキー・バーンズ戦のフィゲロア写真:ロイター/アフロ

 28勝(19KO)2敗1分けのフィゲロアも話した。

 「自分の人生において、新たな章が始まる。特に、今の自分はメンタルが充実している。それが何よりも大事なことだ。精神が安定しているからこそ、ベストを尽くせる。いま、100%ボクシングに集中しているんだ。試合当日が待ち遠しいよ」

判定で敗れた2019年7月20日のウガス戦
判定で敗れた2019年7月20日のウガス戦写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 WBC暫定ライト級王者だったフィゲロアが正規チャンプとなったのは、ブローナーが同タイトルの防衛戦を行わないことを問題視したWBCがタイトルを剥奪したからこそだった。

 その後もブローナー戦の予定はあったが、なかなか実現には至らなかった。また、フィゲロアもロバート・ゲレーロ、ヨルデニス・ウガスといった名のある選手と打ち合っている。

 生き残るには負けられない元チャンピオン同士の戦いは、どんな展開となるだろうか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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