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アプリからラテをオーダー - 米国スターバックスが新サービステスト中

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
アプリで店頭受け取りのドリンクをオーダーできる Photo: Starbucks

「オーダーを受けてから1杯ずつていねいに」というのがスターバックスのラテだったような気がするのですが、モバイル化が進むと、もっと効率を求めるものなのでしょうか。

スターバックスが米国の一部でアプリからオーダー・支払いする仕組みをテスト中です。

Wiredによると、水曜日からオレゴン州ポートランドで始まったこの取り組みは、既に提供しておりプリペイドカード代わりになるスマートフォン向けアプリから、受け取る店舗を指定してオーダーができるというもの。

アプリには、現在位置からお店までの徒歩の分数と、オーダーができあがるまでの分数が表示されてます。キャプチャでは、歩いて5分のお店で、4〜7分で準備ができるという表示になっています。できたてのラテを並ばず受け取るには、と時間調整は自分でしなければなりませんね。

アプリ内にチャージしてあるプリペイドの金額から決済をして、あとはお店に向かうだけ。ちなみに、スターバックスアプリは、アプリ限定でApple Payへの対応を表明しています。事前オーダーで都度カード決済を、指紋認証で行うこともできるようになるでしょう。

「スタバコマンド」もアプリから分かりやすく指定

個人的に「スタバコマンド」と呼んでいる、ドリンクのカスタマイズもアプリから行うことができます。

例えば、「トール2%エキストラホットアドショットラテ」というと、熱めの低脂肪乳で1ショット追加したトールサイズのラテが出てきます。オプションコマンドの順番が正しいかは分かりませんが。こうしたオプションも、アプリから指定できる仕組みは分かりやすいですね。

ちなみに、日本で習得したスタバコマンドは、アメリカでもちゃんと通じます。オーダーを取るバリスタさんが、ちゃんとマニュアルを読んで仕事をしている人であれば、の話ですが。

食 × テックの文脈はもっと広がる

Wiredの見出しは「スターバックスがシリコンバレー流を再び習得」という見出しがついてます。これまでプラスティックのプリペイドカードを発行してきましたが、これをアプリ化し1杯1ポイントのポイントサービスも追加しました。

今回再び、シリコンバレーのトレンドを取り入れた、ということです。確かに現在、外食産業とモバイルアプリを掛け合わせるアイディアがたくさん生まれています。アプリから事前予約と決済を済ませて店頭受け取るという仕組みで先行しているのは「Order Ahead」というアプリです。

同種のサービスについて、スマートフォンやタブレットをクレジットカードの決済端末にできるサービス「Square」も取り組んでいます。サービス名は「Square Order」。

NCRは専用レジ端末を導入する仕組みで、ある程度資本がある店舗が導入していますが、同じ仕組みをスマホ・タブレット+アプリで実現するのがSquare。店舗側のアプリ内には、商品が登録されており、これをユーザー側のオーダーアプリから注文・決済すれば良いのです。

アプリからオーダーできるレストランは膨大に増えていくことが予測されます。Order AheadもSquareも、決済でApple Payをサポート。店頭以上に、アプリ内での決済で、Apple Payの組み込みの勢いは進んでいくことが予測されます。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

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