【河内長野市・富田林市】67歳で起業家への挑戦を中学3年生に語る。奥河内ラジオ開局に向け着実に活動中
SNSというリアルタイムで双方向でやり取りがあたりまえの時代、一方向でそれも音声だけの存在がラジオです。ラジオはオールドメディアと言われていますが、電池で稼働するため、実は万一の災害時には無くてはならない存在です。
今年の6月に河内長野に新しいコミュニティラジオ「奥河内ラジオ」開局の動きがあることをご紹介しました。ただこの時点ではまだ「絵に描いた餅」の様な感覚で、実現性に疑問符を持っていた方も多かったのではないでしょうか?
その奥河内ラジオの瀬沢真理(せざわまこと)さんより、「こんど富田林富田林中学・高等学校の中学3年生向けに、67歳で起業に挑戦した特別授業をすることになったので見に来ませんか?」というお話を伺いました。
富田林中学3年生の特別授業は、画像のような日程で行われます。そのうちの2番が瀬沢さんです。
とても気になったので大阪府立の中高一貫校 富田林中学・高等学校に行ってきました。とんこう地域フォーラム2023でお邪魔したことがありますが、そのときは公立高校の進学校の実力を痛感する素晴らしい内容でした。
今回は特別授業(社会探求・学習授業)ということで岸本記念館(アゴラ)で行われました。11:30から12:15の45分間です。
奥河内ラジオの代表の瀬沢さんが壇上に立ちます。
富田林中学校の高野進先生が今回の授業のことを説明します。
瀬沢さんは現在67歳。普通ならリタイアして年金をもらいながら余生を過ごすような年齢ですが、あえて起業に踏み切ったことについてご本人から生の声が聴けます。
最初に瀬沢さんは、ラジオについて中学3年生に問いかけます。①のラジオを聞いたことの無いという中学3年生はさすがにほとんどいません。ただ②の問いに対しては5回以上は2割程度しかおらず、1度も聞いていないという中学生は5割に上りました。
次にテレビとラジオの違いについての説明です。映像もあるテレビと音のみのラジオの違いを説明します。
次にラジオ局の種類について、一般的に聞くラジオは左の県域放送ですが、瀬沢さんは右のコミュニティ放送を目指します。最大20万人の耳に届けるのは地域の身近な話題を中心としたもの。
次に、瀬沢さんがラジオ放送局を設立した理由について、自らの経歴を語ります。瀬沢さんは中学生のころからラジオが好きで、高校時代には放送部に入り、大学時代には渡米して町の小さなラジオ局を回ったそうです。
こちらが当時のミニラジオ局の写真だそうです。もう今では使われないような機械だと思います。また驚くほどの少人数で運営していたとのこと。
瀬沢さんはとにかくラジオが好きだからラジオ局への就職を希望しましたが、その夢は果たせませんでした。それでもラジオ広告を制作する広告代理店に就職し、間接的にラジオとの関わりを持ちながら、コミュニティラジオについても調べていたそうです。
ところが、定年後も7年間再雇用として働いていたのですが、突然の契約打ち切りという事態に衝撃を受けます。普通ならこの後は余生を過ごすとなりますが、瀬沢さんは、ラジオ局開局という長年の夢に舵を切りました。
真剣に授業を聞く富田林中学の3年生、中にはしっかりとメモを取る生徒もいて、さすがはレベルの高い学校の生徒だと最後方の席で見ながら思いました。
そして、瀬沢さんは中学3年生にこういいます。「人生、チャレンジすることに意義がある」と。時の運で成功や失敗はあるけれど、失敗したとしてそこから学んで次に進めばよいと言います。
瀬沢さんはすぐに行動を起こしました。こうして一気に奥河内ラジオ株式会社設立を果たしたのです。現在は1口5万円の市民株主を募集している段階で、来年の開局に向けて確実に進んでいます。
具体的な活動内容の紹介もありました。電界調査と言われるもので、空いている周波数を探す調査です。周波数一覧については総務省の機密事項なので自分で空いている周波数を探す必要があるとのこと。
瀬沢さんの話では千代田短期大学の屋上に送信所をつける計画があるそうです。
そしてノバティながの南館もしくはフォレスト三日市のどちらかの空きスペースを借りてスタジオを作るとのこと。お話を聞いているだけで夢が広がりますね。
最後に瀬沢さんは次のことを語って授業を終えました。
- 楽しいことを仕事にしよう!
- 起業や仕事では他人や社会の為になることをしよう!
私は中学3年生ではありませんが、瀬沢さんの授業を聞いてとてもわかりやすかったし、夢を追いかけてラジオ放送局開局にこぎつけようという想いが伝わり、陰ながら応援したいと思いました。
中学3年生も人生の大先輩の話は参考になったこと間違いありません。
今週の土曜日、14日16時より奥河内ラジオに関するイベント「奥河内ラジオ創ろうぜライブ」が上堂本店で開催されます。
奥河内ラジオでは、手本としている宇部のFMきららの「商工の町」に加え、「観光の町」「音楽の町」をオリジナルで加えており、このイベントは音楽の町に関すること。
また出演者がユニークです。
- 旭ヶ丘で尺八を作っている職人「葛山玄海」さんが自ら尺八を演奏します
- ギター演奏の「ウエダシンカイ」さんは、なんと!延命寺住職の御子息とのこと
- シャンソン歌唱の「松岡智子」さんは、キタバ薬局の薬剤師さんです
- サウンドピースは洋楽ポップスをアコギでカバーします
- ブローヴァイスさんは富田林の人で、小中学生向けの教育用のミニハープを使って4人の女性がハーブの演奏をするそうです。
そして駅フェス千代田やノバティながの屋上、富田林などでライブ活動を行なっている化楽さんも登場します。
さらにお楽しみ抽選会があります。その上、入場が無料とのこと。これは本当にありがたいですね。時間のある方は遊びに行かれてはいかがでしょう。
上堂本店(奥河内ラジオ創ろうぜライブ)
住所:大阪府河内長野市本町12-22
開催日時:10月14日(土)16:00~19:00(15:30開場)
入場料:無料
アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩3分
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