アジア最大 スリランカの「ペラヘラ祭」への誘い。
皆さん、夏祭りに行きましたか?日本はこの時期はとくに賑やかである。そんな中、私はこの夏、親日国、スリランカで開催される「ペラヘラ祭」を見に向かった。こちらはアジア三大祭の一つにも数えられている。
■お祭の前の象たち。まずは身体を清める↓
■大仕事の前の腹ごしらえ。向う側には仏歯寺が見える↓
「ペラヘラ」とはスリランカの言葉で行列(パレード)という意味。ペラヘラは、スリランカのあちこちで行われているが、アジア三大祭として数えられているは、世界遺産の街キャンディーで開催される祭である。ちなみに、スリランカの多数派の言語であるシンハラ語で山のことを「カンダ」と言い、この国を後になって支配するようになった英国民が上手に発音を出来ず「カンダ」が訛って「キャンディー」になったというのが現在の街の名前の由来である。
■祭りの舞台裏。↓
8月をスリランカの暦でAsala(アサラ)月と言い、時期が重なるため、地元では「アサラ ペラヘラ」と親しまれている。期間は新月~満月の2週間の間だが、祭は、日を追うごとに内容が一段とスケールアップし、同時に巡行のルートも拡張する。クライマックスには約3,000人のダンサーに太鼓手そして多くの象たちがキャンディーペラヘラを盛り上げる。
■暗くなってきた、出番はそろそろか… ↓
■その前に、祈祷してもらう↓
■ペラヘラは他の祭りと、どこか違うの?
1)祭の舞台が世界遺産。300メートルほどの緩やかな山々に囲まれた盆地であるキャンディーは、全土がイギリスにわたる直前までのシンハラ王朝がいた場所である。古き良き伝統の趣きを漂わせる町並み、最もスリランカらしい街と呼ばれる由縁でもある。年中穏やかな気候に恵まれた街の真ん中にキャンディー湖があり、そのすぐ側に、今は仏歯寺と姿を変えた、キャンディーの最後の王朝の宮殿と英国時代に建てられたクインズ・ホテルが向かい合い、不思議なコントラストを醸し出している。キャンディーの街そのものが、1987年という早い時期にユネスコ世界遺産として登録された。世界遺産の舞台で見られる祭。こんな贅沢はあるのだろうか。
2)大勢の象の登場。もちろん象が参加する祭りは他の国でも見かけるが、アサラ ペラヘラとは比べてはならない。まずその数である。多い時は100頭もの象が登場する。次にその衣装である。華麗な衣装に鮮やかな電球を身にまとっている。一日にこれほど多くの象を目の前にするのは、後にも先にもこの祭りだけの貴重な体験となることでしょう。しかも、この祭の最も重要なパートである、仏歯を運ぶ役目を担っているのは選ばれた象である。彼を歩く道を人間が一生懸命に絨毯を敷き用意している。こんな祭見たことありますか?
3)幻想的でエネルギッシュな夜祭。占いにより開催の細かい時間が決められているが、夜に行われる祭りである。街中の灯りが消され、道の両脇を歩く乾燥椰子を燃料にした松明の明かりがペラヘラを照らす。優しい明りに椰子の実の香ばしい香りだけでも十分癒しである。そして椰子の松明が放つ微かな煙、高地ならではの若干の霧が掛った風景の中に小さい電球が散りばめられた鮮やかな衣装を身にまとった象がとてつもなく映える。何とも幻想的である。キャンディーの深みのある静寂の中で、五感で味わう祭、人生観が変わることを約束する。
4)多宗教の合同祭として高価値。現在は、仏歯が登場するようになって仏教の祭というイメージを抱かれる人もいるが、もともとはキャンディーのヒンドゥー教の守護神であるナータ、ヴィシュヌ、カタラガマ、パッティニの神々を祀る祭からスタートしている。そこに、仏歯が登場するようになったのは240年ほど前の1775年からで、歴史が浅い。ペラヘラにはヒンズー教の神々と仏教がそれぞれの色がしっかりと出ている。一つの祭りでありながら、多様性に富んでおり、最後の最後まで見る側をワクワクさせる演出になっている。
■祭本番。クインズ・ホテル内からの眺め。仏歯を見た観客が立ち上り手を合せる▼
「ペラヘラ祭」世界のどこを探しても二箇所とないこの祭典である。二度とない人生、先送りせず、来年こそ行きましょう。今年の夏休みにはすでに来年の休みの希望も話題に上がっていると思います。早めに相談しておくと休みをもらいやすい方もいるでしょう。もう一つの朗報は、お盆休みでエアーチケットを買うとなるとどうしても高くなるが、アサラ・ペラヘラが開催される8月の上旬はまだチケットはお手頃である。一年早く告知するのは、今から準備しても決して遅くないからである。
それでは来年は、キャンディーでお会いしましょう!
■2014年のペラヘラ祭のハイライト↓
追・・・・・・・・・・
■日本にいながらスリランカ!?■
'直ぐにはスリランカに行けない、または予行練習がてら取り敢えず日本にいながらスリランカを味わいたいという方のために、日本にいながらスリランカを味わえる場所をここで紹介したい。
1)まずペラヘラ祭で大活躍の象を日本にいながら身近に感じたいなら、現在日本に117頭いるのですが、その中でも最長老象は、多摩動物園にいるアヌラ(♂)62才である。彼がまだ推定3歳ぐらいの時の1956年に、第4代スリランカ(当時セイロン)首相を務めたソロモン・バンダラナイカが日本の子どもたちへと寄贈したものである。2012年には、スリランカと日本の国交樹立60周年を記念して、スリランカのピンナワラ(地名)にあるゾウ孤児院で生まれた、もうすぐ10才になるアマラ(♀)Amara(意味:永遠に)と7才のヴィドゥラ(♂)Vidula(意味:賢い)の2頭の子象が新たに多摩動物園に寄贈された。
寄贈式には、「アヌラ」の名前のもとになった、アヌラ・バンダラナヤカ(国家遺産大臣)も出席した。(アヌラの母は世界で初めて女性首相となったシリマヴォ・バンダラナヤカで、姉は第5代目スリランカ大統領となったチャンドリカ バンダラナヤカである。)その他に、筆者が知っている範囲だけでも、東山動物園(名古屋)と徳山動物園(山口)でもスリランカから日本にやってきた象とお会いすることができます。
2)次は日本にいながらスリランカの祭についてです。実は日本のあちこちでスリランカ人および関係者によってスリランカの暦に合わせた祭が行われるのでネットなどを要チェック。なかでも4月のお正月祭、5月のウエサック祭が毎年盛り上がる。そしてなんと言っても忘れてはならないのは、毎年9月には代々木公園で行われる「スリランカ・フェスティバル」である。2日間に渡って行われる祭りには例年10万人が駆けつける。こちらもお勧めです。どうぞ足をお運びください。2014年の開崔日程は、9月27日と28日です。
詳細、お問い合わせ等、こちらをクリック→スリランカ フェスティバル 2014
■おまけ。お祭を支える屋台とお客さん。何が売られていて、みんな何を頼むのかな?↓