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今度は“盗作疑惑”に巻き込まれたBTS。なぜに世界各地で騒動が絶えないのか

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
BTS(防弾少年団)(写真:Shutterstock/アフロ)

韓国はもちろん、日本や欧米でも人気のボーイズグループBTS(防弾少年団)がまたもや騒がしい。今度は“ピョジョル疑惑”が持ち上がった。

ピョジョルを漢字にすると“剽窃”となる。「他人の作品を自分のものとして発表する」という意味で、平たく言えば盗作やパクリと同じ意味として韓国ではよく使われる言葉だが、BTSへの“ピョジョル疑惑”を訴えたのは、フランスの写真家ベルナール・フォコン氏だ。

日本でも写真集を発表したことがある今年で68歳になる写真家が、BTSが2016年に発表した写真集に収められたいくつかの写真と、アルバム『WINGS』に収められたタイトル曲『血、汗、涙』のミュージックビデオの一部が、自らの作品に似ているとしたことを、韓国の一般紙『ハンギョレ新聞』(2月25日付)が報じたのだ。

このニュースにほかの韓国メディアも一斉に食いつき大々的に報道。ただ、BTSが所属するビッグヒット・エンターテインメントも黙っておらず、「フォコン氏が提議された類似性の主張について、該当の主張は成立しないという意見を伝えた」と真っ向から否定しているが、BTSにまつわる騒動はなぜにこうも世界各地で絶えないのだろうか。

(参考記事:フランスの有名写真家がBTSの盗作疑惑を主張。事務所は断固否定

というのも、例えば昨年5月、メキシコのテレビ番組内でBTSに対する差別発言が飛び交ったということでファンからは怒りの声が続出し、番組司会者の一人が謝罪のコメントを発表する騒動があった。

(参考記事:BTSをディスり差別発言を浴びせたメキシコのテレビ番組がファンの抗議で大炎上

昨年11月には日本で“原爆Tシャツ”がきっかけで、『ミュージックステーション』出演が見送りになり、大きな波紋を呼んだ。

同じく昨年11月にはアメリカのユダヤ人団体『サイモン・ウィーゼンタール・センター』から謝罪を要求されている。

年が変わって今年になると、ロシア南部にある2つの映画館がBTSのコンサート映像の上映を中止に追い込まれた。イスラム教グループがBTSメンバーを「男らしくない」うえに「同性愛者」と決めつけ、上映中止を訴えたことがきっかけだったという。

ギリシャではテレビ番組の女性司会者がBTSを侮辱するような行為があったとしてファンが激怒。女性司会者は自身のSNSを通じて「侮辱的だと感じた人たちに申し訳ない」と謝罪する事態があった。

(参考記事:「韓国人男性はみな不細工」発言でギリシャの女性タレントに非難殺到。BTSを侮辱か

差別騒動に政治問題、謝罪要求に侮辱行為とセンシティブな問題が次から次へと、それも中南米、北米、アジアにヨーロッパと世界各地で騒動が起きているのだ。

裏を返せば、それだけ彼らの知名度と活動がワールドワイドで、さまざまな騒動に巻き込まれるのもワールドスターの宿命とも言えなくもないが、世界のあちこちでこうも騒がしくなってくるとBTSのことが心配にもなってくる。

取材を進めている『スポーツソウル』芸能部によると、フォコン氏は4月に来韓して今回の件に関して記者会見を開く用意もあるという。4月に中国・成都に開館予定の自身の名を冠した美術館で、BTSの映像をパロディ化した内容の作品を公開することも検討しているという。

韓国ではフォコン氏がBTSのネームバリューを利用したノイズ・マーケティングとして“ピョジョル疑惑”を持ち出しているとの見方もあるが、いずれにしてもBTSの存在感と影響力が大きくなればなるほど、それと比例してアンチややっかみが増えていき、重箱の隅をつつくような指摘や予期せぬ非難が次々と起こっているのも事実だ。それだけにマネージメント・サイドも現実をしっかり受け止め、賢明かつ迅速な対応をすべきだろう。

「防弾少年団ピョジョル攻防、長期化か」(『エクススポーツ』)と懸念されているように、騒ぎが長引かなければいいのだが…。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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