Yahoo!ニュース

片づけ嫌いな子が育つ!? 実は意味がなかった子どもへの「片づけなさい!」という言葉

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

「片づけなさい!」という言葉、きっとほとんどの子どもを育てる親が言ったことがあるのではないでしょうか。

でもはっきりと言えることは、「片づけなさい!」だけでは、片づけができる子は育ちません。

というのも、私が子どもの頃あんなに「片づけなさい!」と言われ続けたのに、片づけができないまま大人になってしまったからです。

私には小学生から高校生までの4人の子どもがいます。人が動けばモノも動くので散らかることは多いのですが、今では必要な時に片づくようになっています。

そこで今日は「片づけなさい」を言い続けたらどんな子に育つのか、「片づけなさい」を言わないのなら、どうしたらよいのかについてです。

「片づけなさい!」と言い続けてわかったこと

子どもの頃の私の部屋は、ぐちゃぐちゃで足の踏み場がないこともしょっちゅう。当時は毎週日曜日になると母に「片づけなさい!」と言われ、あまりにもうるさいので仕方なく片づけていましたが、火曜日には元に戻ります。

その後、大人になっても状況は変わらずでしたが結婚後一念発起し自己流で片づけを進め、少しずつできるようになって真っ先に思ったことが、「我が子を片づけができる子に育てたい!」ということでした。

長女が生まれ3歳になった頃、私は母に言われたように「片づけなさい!」と言い続けました。

3度の食事の前、お出かけ前や寝る前に片づけタイムを設け、人一倍片づけに関して厳しく育てました。しかし小学生になった長女の勉強スペースはいつも散らかっていました。

私から「片づけなさい!」と言われた時だけ机の上に空きスペースができます。そして、やはり昔の私のようにすぐに元の状態に戻ってしまいました。

私は片づける時間を設け、何度も「片づけなさい!」と言い続けたのに、片づけができません。そこで私が痛感したのは「片づけなさい!」と言うだけでは片づけのできる子は育たないということ。

残念ながら育ったのは、親が声をかけた時にだけ「とりあえず元に戻す子」。そして、言い続けることで反発心が生まれ、やる気をそがれた「片づけ嫌いの子」だったのです。

子どもの好きなモノは何?そこにきっかけがある。

「片づけなさい」と言われ続けた子どもたちは、片づけに良い印象を持っていません。

私は今、子育て家庭の片づけレッスンに伺うと、不要なモノを捨てるということから片づけをはじめることはせず、その子たちの、今一番大事なモノ今一番はまっていること、など子どもの興味の詰まったモノを大切にすることから始めています。

例えば、子どものお気に入りの作品を部屋の壁面に飾ることから始めたり、

大好きな野球の道具を、練習や試合に行くときのことを考えて道具の置き場を考えたり、カードゲームを分類して遊びやすく収納したり、

今、子どもがよく遊ぶおもちゃが果たして遊びやすく後片付けしやすい収納になっているのかなどから考えるのです。子どもの大切なモノのおウチを考えるイメージです。

ひょっとしたら親が「いい加減にキレイにしまって!」「こんなにたくさんあるのだから捨てなさい」「いつまでとっているの?」「もういらないでしょ?」と思うモノもあるかもしれません。

でも、子どもたちは自分の大切なモノを飾ったり、キレイに並べたり整えたり、つまり大切に扱うことの方が興味を持つのです。

我が子は、好きなモノが大切にできているか?

今すぐ家庭の中から「片づけなさい」という言葉をなくしてほしいとは言いません。

ただ「片づけなさい」と言う時は絶対に笑顔ではありません。

だから心や時間に余裕がある時だけでもよいので、「片づけなさい」の前に子どもが好きなモノ、好きなコトを大事にできているか注目してみてはいかがでしょうか。

使ったモノを元に戻すだけが片づけではなく、自分の大切なモノを大切にできることも片づけなのではないかと私は思っています。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

藤原友子の最近の記事