Yahoo!ニュース

考える力が弱い子に共通する「あ、これが原因だ」と保育士が思うことと思考力の育み方

なっつせんせい保育士・ほめ育てアドバイザー

”大人が変われば子どもも変わる”を信念に発信しています現役保育士です。

保育現場にいると、「この子、できそうなのに考えるということをしていない。できるはずなのに考える力が弱い」と思う子が。そのような子には、必ず原因と思われる共通する背景があります。

そこで今回は、その原因と思われることと解決策についてお伝えしていきます。

原因

先回り!口出し!

子どもがやるのを待たずに親が先にやってしまう。子どもが失敗する前に「○○するとこうなるから」と言ってしまう、または危ないと思ったら止めてしまい失敗の経験がなくなってしまうなど。

お子さんが進む先に落ちている石を全て丁寧に拾う大人が周りにいると、自分でつまずきもしません。さらに、つまずかないように考えたり、つまずいてその先どうするかと考えることもできなくなります。

いつまでも赤ちゃん扱い

園で時々みかけるのは、しっかり話ができるのに「こうだったんだよね、この子こうなんです」とお子さんのことを全部話してしまう保護者の方。詳しく話してくださってとてもありがたいのですが、お子さんは自分のことをしっかり話せます!と思うことも多々。

お子さんの性格的にシャイでなかなかという場合もあるとは思います。しかし、親頼りを積み重ねた結果、何でも自分で言わずに「ママ言って」と自分で自分の気持ちを他人に伝えられなくなってしまっている場合も多いです。

解決策

好奇心を引き出す

思考力を育むには、お子さんが自分から問いかけ探究心を持つことが大切です。子どもは知らないことであふれており様々なことに興味を持ちます。ですから保護者がその好奇心を引き出す手助けをすることが大切です。

例えば、日常生活の中で「これはどうしてこうなるのかな?」と問いかけ、子どもと一緒に答えを探してみることも大切です。余裕がある時には植物のお世話を任せてみる、自分のことは自分でやってもらうなど生活体験をすることで、お子さんは実際に自分の五感を通して学ぶことができ、思考力が育まれます。

たくさん経験させる

思考力を鍛えるためには遊びや日常の出来事から学ぶことで、問題解決能力や判断力を養うことができます。

パズルやブロックを使った遊びでは論理的な思考を養ったり、形や大きさ、色などを認識し空間認知や計画性を育むことができます。さらに遊びの中で「どうしたら理想通りに作れるだろう?」と考えることで、自然に思考力を高めることができます。

失敗しても責めない

失敗が怖いと思った時点で思考が止まってしまいます!ですから、保護者は失敗しても「そうやって考えてこうしたんだね」「よく考えたね」「次はどうした方がいいと思う?」と前向きな言葉をかけ、子どもが自分で考える力を引き出すことが重要です。

また、大人にとって忍耐が必要ですが、子どもが自分のペースで考えて挑戦できるよう見守ることも大切です。

言葉を意識する

言葉は思考力を高めるための重要なツールです。幼児期にできるだけたくさん言葉のシャワーを浴びることで理解力が向上したり、心の豊かさを育むことができます。絵本の読み聞かせや日常会話を通じて語彙を増やしたり言い回しを学ぶことで、お子さん自身が自ら考えを表現できるようにしましょう。

絵本の読み聞かせ時には「登場人物はどうしてこうしたと思う?」と問いかけたり、ページを開く前に止め次の展開を考えさせることで、自分の意見を持ち深く考えるようになります。

ルールのある遊びを取り入れる

保育現場でもよく取り入れているルールのある遊び。幼児期においては思考力を育むために効果的です。例えば、ボードゲームやカードゲームでは、戦略を練る力を養うことができます。またルールを守りながら遊ぶことで社会性も身につき、ルールのなかでどう自分の理想を叶えるかという思考力も育まれます。

おわりに

幼児期に思考力を育むためには、子どもが自ら考えて答えを出していくことが重要です。ですから、私たち大人は子どもが興味を持って様々な体験・経験しながら学ぶことができる環境を整えていきましょう。

大人としては結構な忍耐が必要ですが、子どもの「なんで?」に正面から向き合って一緒に考える時間を持つことで、思考力は高まっていきます。

保育士・ほめ育てアドバイザー

大人が変われば子どもも変わる!知識をつけたことで子どもたちとより良い関係に。その経験から、現場で実践したお子様との関係が良好になる工夫・保育現場でのリアルなエピソードをお伝えします!少しでも参考になれば嬉しいです。 保育士・幼稚園教諭・ほめ育てアドバイザー・チャイルドコーチングアドバイザー

なっつせんせいの最近の記事