痛いのはナポリとローマか 過去10大会で最多の13選手がセリエからアフリカ杯へ
1月14日にガボンで開幕するアフリカネーションズカップ(ANC)には、セリエAの10チームから13選手が参加する。10チームにとっては、開幕前の準備期間を含め、長ければ1カ月以上も選手を失う形だ。特に痛手を受けるのは、主力を失うナポリとローマかもしれない。
イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、セリエからの出場選手が13名というのは、過去10大会のANCで最多。二桁に達するのは、2000年以来17年ぶりだ。
13名と今季のセリエAでの成績は以下のとおり。成績は『transfermarkt』を参照した。
◆ユヴェントス
メディ・ベナティア(出場7試合、先発7試合/モロッコ)
マリオ・レミナ(出場10試合、先発6試合、1アシスト/ガボン)
◆ローマ
モハメド・サラー(出場16試合、先発15試合、8得点、5アシスト/エジプト)
◆ナポリ
ファウジ・グラム(出場15試合、先発14試合、3アシスト/アルジェリア)
カリドゥ・クリバリ(出場16試合、先発16試合、1得点/セネガル)
◆ラツィオ
ケイタ・バルデ(出場16試合、先発11試合、5得点、3アシスト/セネガル)
◆アタランタ
フランク・ケシー(出場16試合、先発15試合、6得点、2アシスト/コートジボワール)
◆トリノ
アフリイェ・アックア(出場11試合、先発5試合/ガーナ)
◆ウディネーゼ
エマニュエル・バドゥ(出場15試合、先発10試合、2アシスト/ガーナ)
モラ・ワグエ(出場6試合、先発6試合/マリ)
◆ジェノア
セルジュ・ガクペ(出場7試合、先発2試合、1得点/トーゴ)
◆ボローニャ
サフィル・タイデル(出場14試合、先発13試合、1得点/アルジェリア)
◆クロトーネ
ジャメル・メスバフ(出場6試合、先発5試合、1アシスト/アルジェリア)
なかでも“ANC ショック”を受けるのが、グラムにクリバリと最終ラインのレギュラーを2人も引き抜かれるナポリだ。ただ、期間中のビッグマッチがミラン戦だけなのは救いと言える。チャンピオンズリーグのレアル・マドリー戦も控えるだけに、首脳陣はとにかく負傷回避を願っているだろう。一方で、ニコラ・マクシモビッチら控えの奮起にも期待が懸かる。
同じく控えの覚醒に期待したいのがローマ。ビッグクラブとの対戦はないが、39得点のうち3分の1に絡んでいるサラーの離脱はあまりに大きい。スクデット争いに踏みとどまれるかどうかの大事な時期とあり、ステファン・エル・シャーラウィに昨季後半戦のような活躍を期待したいところだ。
そのほか、ラツィオがバルデ、アタランタがケシーと主力を引き抜かれる。この両者が直接対決する第20節も注目だ。アタランタはその後、中位を競うトリノとの対戦もある。ロベルト・ガリアルディーニのインテル移籍も近いと言われるだけに、厳しい1月となるかもしれない。
一方、王者ユーヴェはベナティア、レミナの2選手が離脱し、期間中にインテル戦もあるが、両選手とも控えの域を出ない。最終ラインではダニエレ・ルガーニが確実に成長しており、中盤にはトーマス・リンコンが加わった。クワドゥオ・アサモアのANC不出場もあり、“被害”はそれほど大きくなさそうだ。