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モラタがプライバシー侵害に激怒! 市長の“ロマーノ砲”で新居から早々の引っ越しを宣言

中村大晃カルチョ・ライター
9月27日、セリエAレッチェ戦でのミランFWモラタ(写真:ロイター/アフロ)

「HERE WE GO!」

取引成立は確かだった。だが、早々に破局を迎えることとなりそうだ。

ミランのアルバロ・モラタが10月3日、SNSの投稿でミラノ近郊コルベッタの市長に怒りを表した。同市に住むことを同じSNSで明かされたからだ。

■市長が新居決定をスクープ

マルコ・バッラリーニ市長は2日、「ひと足早いエイプリルフールではない。モラタがコルベッタの新たな住人となる!」と投稿。モラタが転居の手続きを終えるところだと明らかにした。

「知ってのとおり、私はインテルの大ファンだ。しかし、喜んでモラタを我々の素晴らしいコルベッタファミリーに歓迎する。ファブリツィオ・ロマーノならこう言うだろう…『モラタはコルベッタへ、HERE WE GO!』」

移籍市場に精通する世界的ジャーナリストのフレーズを使い、モラタの“加入”を発表したかたちだ。

また、バッラリーニ市長は、『La Repubblica』紙に「1カ月ほど前から知っているが、移籍市場の交渉みたいに、ついにオフィシャルとなった」とも話している。

「モラタは賃貸契約にサインし、多くの人がすでに地域で彼を見て、レストランで記念撮影している。そのためうわさが広まっており、公式に歓迎したかったんだ。我々の街には多くのとても美しい住居があり、彼がそのひとつに魅了されてうれしいよ」

■選手は皮肉と転居宣言

しかし、この“発表”にモラタは憤慨。「市長殿、僕のプライベートを侵害してくれて感謝します」と、皮肉りながらバッラリーニ市長を批判した。

「幸いにも自分に貴重な財産はなく、唯一の宝物は子どもたちです。そしてその子どもたちの安全があなたによって脅かされました。コルベッタは一定のプライバシーを保証してくれると思っていましたが、あなたがSNSを使いこなせず、市民を守れないおかげで、すぐに引っ越さなければいけなくなりました」

“ロマーノ砲”が4人の子どもを持つ選手の怒りを買うことになったバッラリーニ市長だが、インスタグラムのストーリーで、インテルのロゴ画像と手を振る絵文字とともに、「Ciao ciao」(バイバイ)と投稿している。モラタへの反論なのだろうか。

なお、バッラリーニ市長はTikTokのフォロワー数が75万2000人。『La Repubblica』によると、ジョルジャ・メローニ首相らに続き、3番目にフォロワー数が多い政治家だそうだ。『Corriere della Sera』紙によれば、イタリアの多くの若者に知られている。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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