藤浪晋太郎は初めて防御率10.00を下回る。それでも30イニング以上の299人中ワースト。歴代では…
6月30日、藤浪晋太郎(オークランド・アスレティックス)は、1イニングを完璧に封じた。7回表のマウンドに上がり、対戦した3人をいずれも討ち取った。
これにより、藤浪のシーズン防御率は9.80となった。4月1日のメジャーデビュー以来、各登板を終えた時点の防御率が10.00を下回ったのは、初めてだ。ここまで、藤浪は、27試合に登板している。
6月11日までは、防御率11.00未満も皆無だった。そこからの防御率は、10.80→10.65→10.27→10.57→10.04→9.80と推移してきた。
それでも、藤浪の41.1イニングで防御率9.80は、30イニング以上を投げている299人のなかで最も高い。藤浪に次ぐワースト2位は、38.1イニングで防御率8.45のチャド・クールなので、1.35の差がある。クールは、6月下旬にワシントン・ナショナルズから解雇された。
まだ、シーズンは半分を過ぎたところだが、藤浪は、シーズン防御率の歴代ワースト10にランクインする可能性もある。
ナ・リーグとア・リーグにおいて、1シーズンに50イニング以上を投げて防御率9.00以上の投手は、以下のとおり。
2000年に防御率10.64を記録し、このランキングのワースト1位に位置するロイ・ハラデイは、その後、2003年と2010年にサイ・ヤング賞を受賞した。
昨シーズン、防御率9.20のダラス・カイクルは、2015年のサイ・ヤング賞投手だ。昨年の9月上旬にテキサス・レンジャーズから解雇され、FAのまま、今シーズンの開幕を迎えたが、先月下旬にミネソタ・ツインズとマイナーリーグ契約を交わしている。
ハラデイと同年に防御率9.66のショーン・バーグマンは、その翌年から、大阪近鉄バファローズで2シーズンを過ごし、防御率4.18と5.15を記録した。
なお、その登板で防御率が下がっても、相手を抑えたとは限らない。例えば、藤浪の場合、6月28日は2.0イニングを投げて無失点――防御率は10.57→10.04――ながら、試合のスコアは、登板中に0対4から0対7となった。藤浪は、前の投手が残していった3人の走者にいずれも生還され、ブルペンメイトの防御率を押し上げた。
シーズン全体でも、藤浪は、引き継いだ走者14人中7人にホームインされている。その一方で、藤浪が降板時に残していった走者も、22人中11人が生還している。アスレティックスのブルペン防御率5.75(6月30日時点)は、両リーグで最も高い。
【追記:7/2】
7月1日、藤浪は、同点の10回表に登板し、二塁にいたオートマティック・ランナーも生還させず、無失点で切り抜けた。シーズン防御率は9.57まで下がり、10回裏のサヨナラ勝ちにより、4勝目も手にした。