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ハーパーに入団してほしくないと思っている選手は誰?

宇根夏樹ベースボール・ライター
左からC.フレイジャー、A.ジャッジ、B.ガードナー Jul 7, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 FAのブライス・ハーパーに、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)がラブコールを送った。TMZスポーツの取材に対し「MVPが加われば、チームは向上する」とコメント。また、昨シーズンは2人とも主にライトを守っていたので、ハーパーがヤンキースに入団すると、自身がポジションを移ることになるかもしれない点について問われると「彼が守りたいのがどこであっても構わない。そのとおりにする」と答えた。センターやレフトへ移ってもいいということだ。

 ただ、どの選手もジャッジのように思っているとは限らない。チームにとってはプラスになるにしても、ハーパーが入団すれば、外野のポジションは一つ埋まる。ヤンキースの場合、現時点のまま開幕すれば、外野は左から時計回りに、ブレット・ガードナーアーロン・ヒックス、ジャッジの3人が守り、ジャンカルロ・スタントンはDHとして出場するはずだ。けれども、そこにハーパーが加わると、3人のうち1人が弾き出される。おそらく、そうなるのはガードナーだろう。

 さらに、ロースターから押し出される外野手も出てくる。ガードナーが控えに回れば、ジャコビー・エルズベリークリント・フレイジャーは、その座を争うチャンスすら失う。

 他のチームでも、同じようなことは起きる。例えば、再び可能性が浮上しているように、ハーパーがワシントン・ナショナルズへ戻っても、だ。ナショナルズには4人の外野手、ホアン・ソトビクター・ロブレスアダム・イートンマイケル・テイラーがいる。

 昨シーズンの新人王投票で、ソトは2位に入った。ロブレスは今シーズンの新人王候補だ。その資質はソトより上かもしれない。ベースボール・アメリカは、昨シーズンの開幕前に発表したプロスペクト・ランキングで、ソトを56位に挙げ、ロブレスは5位とした。他の2人も、レギュラーを務める力はある。イートンは過去2シーズンこそ故障に泣かされたが、2014~16年はシカゴ・ホワイトソックスのレギュラーだった。テイラーは過去2シーズンとも、ナショナルズで準レギュラーとして、誰よりも多くセンターを守った。2017年は432打席に立ち、OPS.806を記録している。イートンは30歳、テイラーは来月で28歳。衰える年齢ではなく、むしろ全盛期だ。

 このままでも悪くないメンバーだが、4人のうち、ハーパーがナショナルズと再契約しても出場機会が減らないのは、ソトだけだろう。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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