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【ソフトバンク】球界初「4軍」が初試合、九共大に2発で逆転勝ち。監督「多少はホッとしたよ」

田尻耕太郎スポーツライター
本塁打を放ち勝利に貢献した中村宜

 福岡ソフトバンクホークスが今季から導入したプロ野球界初の4軍制。船出となる歴史的初戦が7日に行われた。九州共立大学野球場グラウンドで九州共立大学(福岡六大学野球連盟)と対戦した。

4軍初代勝利投手は育成ルーキーの赤羽蓮

【3月7日 ホークス4軍練習試合 九州共立大学野球場】

ソフトバンク ‘000000225 9

九州共立大学 ‘000100020 3

【投手リレー】

(ソ)小林、木村大、井崎、大城、赤羽、桑原、瀧本

(九)坂元(春日)、木村(北九州)、齊藤(南陽工)、井生(北筑)、益満(北九州市立)

先発した小林。登録は内野手だが、今季から二刀流に挑戦
先発した小林。登録は内野手だが、今季から二刀流に挑戦

【本塁打】

(ソ)中村宜、石塚

【スタメン】

(ソ)6勝連 2海野 4藤野 3石塚 7居谷 9中村宜 8シモン 5山下 D加藤晴

(九)D根路銘(興南) 6近藤大樹(西短附) 7大濱(日大三) 5梁瀬(長崎日大) 9村上裕(宇和島東) 2笹原(真颯館) 8伊計(健大高崎) 3宮城(興南) 4楠(青豊)

試合が行われた九州共立大学野球場
試合が行われた九州共立大学野球場

【戦評】

 ソフトバンク4軍が逆転勝ちした。六回まで2安打無得点と沈黙していたが、1点ビハインドの七回表1アウト一塁で中村宜聖が九州共立大2番手・木村仁の変化球を引っ張り、逆転の左越え2ランを放った。

 さらに八回表2アウト一塁では石塚綜一郎が同じく左翼へ2ランを運んだ。その後1点差に詰め寄られるも、九回表に勝連大稀の適時打、石塚の2点適時打、居谷匡真の右越え2点三塁打で一挙5点を加えて大きく突き放した。

 石塚は3安打4打点。第1打席で遊撃内野安打をマークし、4軍のチーム初安打も記録した。

2ランを放った石塚
2ランを放った石塚

 投手陣は小刻みなリレー。今季から二刀流に挑戦している小林珠維が今春2度目の登板。前回は中継ぎで、今回が初先発だったが落ち着いた投球で1回無失点に抑えた。最速は149キロをマークした。

 六回裏のマウンドには育成ドラフト1位ルーキーの赤羽蓮が5番手で登板し、遊ゴロ、空三振、遊ゴロで3つのアウトを取る好投を見せ、初登板で4軍の初代勝利投手となった。

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小川史・初代4軍監督の試合後コメント

左が小川4軍監督。右は中田賢一4軍投手コーチ
左が小川4軍監督。右は中田賢一4軍投手コーチ

「4軍と言っても、キャンプのC組の延長で鹿児島遠征に行ってた選手と顔ぶれは同じ。彼らは今日が今年3試合目だからね。なんとも言えないけど、まあね、多少はホッとしたよ。先発した小林は良かったし、クワ(桑原)ね。クワはもうちょっとしたら野手としても出場させたい。(育成14位ルーキーの)盛島なんかも落ち着いていたし。(育成ドラフト1位の)赤羽もよかった。大したもん。

 4軍が出来たことで実戦機会は増える。ゲームを積み重ねることで肉体的にもそうだけど、精神的にも強くなる。選手をタフに育てていきたい」

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ソフトバンクは選手121名、うち育成54名が在籍

 ソフトバンクは2011年シーズンより3軍制を導入。以降は特に育成選手からチームならびに球界の中心を担う選手も輩出し、昨季は育成出身支配下選手が12球団最多の12名在籍するなど「育成のホークス」と称される実績を残してきた。

 2023年より、さらなる若手選手育成とチーム戦力強化を目的に4軍制を導入。昨季はその準備段階として3軍活動が拡充され、3軍戦は140試合が組まれていた。今季は3・4軍合わせて229試合が組まれる予定。

 さらに在籍選手数も昨季105人だったが、今季は現時点で121名(うち育成が54名)が在籍している。

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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