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能登地方の地震によるえちごトキめき鉄道の状況

鳥塚亮大井川鐵道代表取締役社長。前えちごトキめき鉄道社長
地震の直前に直江津駅を発車した急行3号 1月1日15時 筆者撮影

本日16:10ごろに発生した能登地方を震源地とする地震で、19:30現在えちごトキめき鉄道では妙高はねうまライン(直江津-妙高高原)、日本海ひすいライン(直江津-市振-泊)の両路線ともに全区間運転を見合わせています。

緊急地震速報が何回となく鳴っていますが、最初の地震から数分経過したときに発生した2度目の地震が一番大きな揺れで、上越市高田にある筆者の自宅でも家具類が転倒しガラス製品等が大きく破損しました。

地震当時、沿線を走行していた列車は妙高はねうまライン4本、日本海ひすいライン4本、直ちに緊急停車し車両、乗客、乗務員に被害はありません。

各列車の状況は以下の通りです。

《妙高はねうまライン》

2358M 二本木-新井間で停車 乗客16名

2330M 春日山-高田間で停車 乗客15名

2357M 関山-二本木間で停車 乗客8名(うち幼児1名)

2329M 高田駅停車中 乗客7名

《日本海ひすいライン》

1642D 越中宮崎停車 全員避難

8642M 親不知駅停車 乗客22名、乗務員2名 全員高台の公民館へ避難

1643D 糸魚川駅停車中 全員避難

1641D 筒石-名立間、頸城トンネル内で停車 乗客8名

すべての列車のお客様、乗務員に被害はありません。

また車両が脱線するなどの状況は報告されていません。

沿線の状況

国道8号線の名立-谷浜間で土砂崩れが発生して通行止めという情報が入っています。

北陸自動車道も通行止めです。

北陸新幹線は東京から長野までは動いているようですが、長野-金沢間は運転休止のようです。

18:10

春日山-直江津間に停車中の2330M列車の乗客を救済するためにバスが向かっています。

1641D列車は頸城トンネル内に停車しているため携帯の電波が届きません。そのため乗客の皆様方に情報が入らず、不安な状態にあることから、連続して緊急事態速報が発令されているため列車を動かすことができないことなどの情報を、列車指令から無線で逐次連絡して乗客の皆様方に情報提供。

19:20

頸城トンネル内に停車中の1641D列車に対して、次の名立駅まで運転士の目視による時速15kmで移動するように指示。

同時に、はねうまラインに停車中の2358M列車、2357M列車に対して、同様に二本木駅まで最徐行で移動するように指示。

これで駅間に停車中の列車は解消する見込み。

以上が19:30現在のえちごトキめき鉄道の状況です。

この後、両線の線路の調査を行い安全確認をします。

ただし、暗い時間になっていること。余震が続いていること。沿線に津波警報が引き続き発令されていること。国道、高速道路ともに閉鎖されていて職員が現地へ向かうことができないために、現時点では運転再開のめどは立っていません。

今の状況を考えると、本日は全列車運休。明日の午前中も運転できる見込みはありません。

すべては津波警報、注意報の解除、地震が収まってからの作業となります。

全線で運転休止となっている直江津駅の状況 1月1日 19時 筆者撮影
全線で運転休止となっている直江津駅の状況 1月1日 19時 筆者撮影

なお、直江津駅を発着するJR信越本線、北越急行線の列車も全列車運休となっています。

ご利用予定のお客様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。

大井川鐵道代表取締役社長。前えちごトキめき鉄道社長

1960年生まれ東京都出身。元ブリティッシュエアウエイズ旅客運航部長。2009年に公募で千葉県のいすみ鉄道代表取締役社長に就任。ムーミン列車、昭和の国鉄形ディーゼルカー、訓練費用自己負担による自社養成乗務員運転士の募集、レストラン列車などをプロデュースし、いすみ鉄道を一躍全国区にし、地方創生に貢献。2019年9月、新潟県の第3セクターえちごトキめき鉄道社長、2024年6月、大井川鐵道社長。NPO法人「おいしいローカル線をつくる会」顧問。地元の鉄道を上手に使って観光客を呼び込むなど、地域の皆様方とともに地域全体が浮上する取り組みを進めています。

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