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サンウルブズ堀江翔太キャプテンが繰り出す「チームの決まりと違う動き」とは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真はストーマーズ戦のもの。(写真:Haruhiko Otsuka/アフロ)

スーパーラグビーに日本から初参戦するサンウルブズは、5月21日、オーストラリアはブリスベンのサンコープスタジアムで第13節をおこない、25-35で敗れた。

後半15分には25-25の同点に追いつくなど食らいついたが、スクラムやラインアウトの防御で苦しめられ、攻め込んでのミスも重なった。

対するレッズには、ワールドカップイングランド大会の日本代表副キャプテンとして英雄となった五郎丸歩が2試合連続で先発した。サンウルブズには同大会のジャパンの一員が7人もメンバー入りし、試合後は旧交を温めていた。

サンウルブズの堀江翔太キャプテンは2試合連続でベンチスタートとなり、後半8分から登場していた。サンウルブズでは現在、中長期的なチームマネジメントの観点からセンターで26歳の立川理道がゲームキャプテンを務めている。

試合後は会見場に入室した堀江。記者団の座る椅子よりやや高い位置の会見堰に座った。「そっち(記者の座り位置)、降りましょうか?」と気遣いを覗かせたが、テレビカメラへの映りが配慮されてそのまま質疑に応じた。

身長180センチ、体重104キロの30歳。スクラム最前列中央のフッカーに位置しながら、攻めては相手の死角をえぐるのに最適な位置取り、鋭利なラながとハンドリングのスキルで魅せる。

この日もチームが連続攻撃中だった後半15分、敵陣ゴール前右で相手守備網の凸凹へ入り込んでボールを受け取ると、目の前のタックラーを引きつけながら大外で待っていたフランカーのリアキ・モリへパス。トライを援護した。その折、モリにタックルをした五郎丸は右肩を痛め、グラウンドを後にした。

以下、一問一答の一部(編集済み。※は当方質問)

――接戦を落としました。

「もう少しっすね。後半からアタックはいい感じの流れを掴んでいたんですけど、取り急ぐ部分があって、敵にパスを放るところもあったかなと。フェーズを重ねれば…。と言っていたんですけど、チームに浸透しきらなかったっすね」

――五郎丸選手については。

「頑張ってましたね。向こう側(チームのこと)は見えないですけど。キックも難しい角度から入れましたし(5本中4本を成功)。ただ、対戦相手のいち選手として、特別な気持ちはなく。あとは、肩、大丈夫かな、と。痛そうにしてたので」

――ワールドカップでともにプレーした選手とスーパーラグビーで対戦。

「何年か前は、こんなこと絶対に起こらなかった。こんなことが起こるなんて、実際にあるんだなと思いました」

――相手がラインアウトからのモールを組んだ際の防御は。

「(塊に入る)タイミングどうのこうので合わせて(止めて)いきたいんですけど、簡単に行かれましたね。まずはそこに入れさせない(自陣深い位置での相手ボールラインアウトを与えない)のを目標にする。モールは、(防御の)低さ、タイミングが合えば止められるところは止められたと思う。詰めて、やっていきたい。(選手の)身体の具合もあると思うので、毎日、ガツガツはできない。上手いこと、フォワードのコーチと相談しながら」

――相手の長所、スクラムの感触は(※)。

「よかったですよ。後半の感じでは、コントロールできていた。ペナルティーも1個、もらいましたし。ただ、アングル(角度をつけた組み方という反則)で入っていないのにそう取られたこともある」

――グラウンドに入ってから。

「アタックに関しては、僕自身、(グラウンドの)外側に立つようにしました。前半の試合を観て、そこにスペースがあるように感じましたし…。次に繋がるいい試合かなと思いましたね」

――モリ選手へのパス、そういうイメージですか(※)。

「(外側に立ったことで)ああいうことが、利いてくる。シーズンも終盤に入ってきて、(ベンチスタートに回ったことで)僕も一歩引いて全体を観られる。こういうチームの決まりと違う動きというか、アイデアも入れていければいいかなと思いますね」

――パスそのものも、絶妙な間だったような(※)。

「(モリが)余ってたんで、呼んで、放っただけです。誰でもできるんとちゃいますか」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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