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早稲田大学は帝京大学を倒せるのか? 佐藤穣司副将が展望語る【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター

大学日本一の回数では歴代最多の15回を誇る早稲田大学ラグビー部は、いま、受難の時期を過ごしている。

2008年度に頂点へ上り詰めたのを最後に、帝京大学の6連覇を許している。今年度も春季大会(関東大学対抗戦と同リーグ戦の交流リーグ)初戦の流通経済大学戦で35-34と辛勝(5月5日/東京・秩父宮ラグビー場)したものの、同志社大学との招待試合(17日/愛知・瑞穂ラグビー場)は24-60と黒星を喫した。

法政大学との春季大会2戦目を45-14で制した24日、ナンバーエイトの佐藤穣司副キャプテンが取材に応じた(東京・法大グラウンド)。佐藤は現在、怪我で離脱中のスクラムハーフの岡田一平キャプテンに代わって船頭役を務めている。

以下、一問一答。

――改めて、きょうの感想を。

「流経戦、同志社戦では、ラグビーをするにあたって、そもそもの大事なところができていなかった。1対1。1人ひとりがしっかりと当たる、と。きょうは、まだまだですけど、そのあたりの部分ができていたから、勝ちに繋がったと思います。ディフェンスのブレイクダウン(接点)で安易なペナルティがあった。それは競った試合でやると…。ただ、結果的には前に出られて、いいアタックはできました」

――ずいぶん、大きくなりました。

「昨シーズンより5~6キロぐらい増えましたかね(現在の公式サイズは「184センチ、98キロ」)」

――その体型から、一時、プロップ(スクラムの最前列。ナンバーエイトは同最後列)転向説がささやかれましたが。

「あぁ…。あれは荻野さん(岳志/現タマリバ、昨年度まで早大に在籍)に『めっちゃ、でかくなってない?』と言われて、ふざけて『俺、プロップになります』と冗談で言ったら信じてしまって…。後で『嘘ですよ』と伝えたら、『え! 色んな人に言っちゃったよ』と」

――今春から、昨季まで日本代表を指導した村上貴弘S&Cコーチが就任しました。

「普通のウェイトトレーニングに加えて、柔軟性の重要性を説いて、GPS(走行距離)を管理…。あとは、ランニングスキル。ストレングス(の強化)でつけたパワーをどうラグビーに活かすか。その身体の使い方についても、指導してくださっています」

――パワーを活かす身体の使い方。具体的に。

「膝を高く上げることは、ずっとやっています。ブレイクダウン(接点)に入る直前の加速にも(注力している)」

――帝京大学には、どう勝ちますか。ひとまず6月7日、東京・早大グラウンドでぶつかります。

「ラグビーは相手より点を多く取った方が勝ちで、長い時間ボールをキープしていたらトライに繋がるチャンスが出てくる。だから、ボール継続がしたいと思っています。それに向けての準備をしています。いま、フィジカルの強化をしている。いままでは1対1で圧倒されていたのですが、今年はそこで勝負できるレベルになって、プラス、展開ラグビーを。帝京大学はめちゃくちゃ強くて、アタックをさせたら勢いがつく。だから、相手より長くボールを持ちたい」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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