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大谷とともに動向が気になるプロスペクト。チッパー・ジョーンズと比較される17歳の遊撃手が再び市場へ

宇根夏樹ベースボール・ライター
10月にブレーブスのGMを辞任したジョン・コッポレラ(左)は、球界から永久追放に(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アトランタ・ブレーブスが、海外のアマチュア選手との契約でルールを破ったことにより、ペナルティを科された。その一つが、2016~17年に13人のアマチュア選手と交わした契約を無効とするものだ。彼らは、ブレーブスから得た契約金を手にしたまま、FAとなった。

 このプロスペクトたちは、他球団と契約することになるだろう。ブレーブスと再契約もできるが、それには、来年5月まで待たなければいけない。

 なかでも、注目を集めているのは、17歳のベネズエラン、スイッチヒッターで遊撃を守るケビン・マイタンだ。今シーズンはルーキーリーグの2チームで計42試合に出場し、打率.241、出塁率.290、2本塁打、2盗塁ながら、昨年7月の入団時にアトランタ・ジャーナル・コンスティテューションのデビッド・オブライエンが発表した記事によると、「マイタンはチッパー・ジョーンズミゲル・カブレラと比較されてきた」という。

 チッパーは来年、ほぼ間違いなく殿堂入りする。デトロイト・タイガースでプレーしているミギーも、将来は殿堂にプラークが飾られるはずだ。2人とも、プロ入りした当初は遊撃手だった。また、チッパーはスイッチヒッターで、ブレーブス一筋に過ごした。ミギーはベネズエランだ。

 ファングラフスのカイリー・マクダニエルが、当時14歳(!)のマイタンについて書いた記事にも「私が会ったスカウトの多くが、マイタンをカブレラと比べている」とある。マイタンはブレーブスから、425万ドルの契約金――実際はどうだったかはさておき――を得た。これは、昨年契約した海外のアマチュア選手のなかではキューバ出身の4人に次いで高く、ベネズエラ出身の史上最高額を更新した。

 アマチュア時代からマイタンに目をつけていた球団は、ブレーブスだけではない。大谷翔平ほど話題にはならずとも、争奪戦が繰り広げられそうだ。同じ球団が、大谷とマイタンの2人と契約することも、あり得ない話ではない。

 FAとなったマイタンたちは、12月5日から1月15日までの間、新たな契約金を得て入団することができる。その後も入団は可能だが、契約金はなしだ。球団が彼らに支払う契約金のうち、1球団につき総額20万ドルを超える分はインターナショナル・サイニング・ボーナス・プール(海外のアマチュア選手と交わす契約金の総額枠。一部の海外プロ選手も含む)の対象となる。ただ、球団はその金額を「2017-18年」と「2018-19年」のプール、いずれにカウントするかを選択できる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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