【NHL】平昌五輪のMVPがロシアからL.A.へ! 35歳になって(今さら?)祖国を離れるのは何故?
2月に行われた「ピョンチャン(平昌) オリンピック」の男子アイスホッケーで、大会最多タイの5得点をマーク!
O.A.R.(オリンピック・アスリート・フロム・ロシア)が金メダルを獲得した立役者となり、MVPに輝いた選手と言えば、イリヤ・コバルチャク(FW・35歳/スカ サンクトペテルブルグ/タイトル写真右側)です!!
▼13歳で来日した「ロシアのやんちゃ坊主」
オリンピックのMVPに限らず、NHLでもモーリス リチャード トロフィー(最多得点賞)を獲得するなど、世界でも屈指のゴールスコアラーは、小さい頃から比類ないホッケーセンスを発揮。
13歳の時に来日し、長野オリンピックのメイン会場となったビッグハットで試合に臨んだ際は、一度パックを持つと、対戦した日本の選手たちが、全く体に触れることすらできなかったほど、桁違いのスピードとスキルを発揮!
桁違いだったのは氷の上だけでなく、宿泊先のホテルでは、通りがかった(成人の)女性相手に、いきなりスカートめくりをしたりと、やりたい放題 !!
「ロシアのやんちゃ坊主」と呼ぶのがピッタリなほど、コバルチャクは”大物ぶり”を見せつけていたそうです。
▼氷上でも大物ぶりを発揮
氷上でも大物ぶりを発揮し続けたコバルチャクは、2001年のNHLドラフトで全体1位指名を受け、アトランタ スラッシャーズ(現ウィニペグ ジェッツ)と契約すると、ルーキーシーズンから大活躍。
前述したとおり、3季目にはモーリス リチャード トロフィーに輝き、NHLを代表するプレーヤーだと高い評価を得たコバルチャクは、2010年2月に、スタンレーカップ奪還を目指すニュージャージー デビルスにトレードで招かれました。
大きな期待に応えて、翌々年には自慢の攻撃力でニュージャージーをファイナルへ導きましたが、ロサンゼルス キングスの前に、残念ながらあと一歩及ばず・・・。
▼契約を13年も残してNHLからロシアへ
その翌年(2012-13シーズン)に、NHLの労使交渉が決裂してロックアウトが宣告され、1月19日まで開幕が遅れた間、故郷のロシアへ戻り、知人が要職に就いている スカ サンクトペテルブルグ でプレー。
労使交渉がまとまり、ロックアウトが終了してから、一旦はニュージャージーに戻ってプレーをしましたが、「KHLでプレーをして、大きな心境の変化があった」と打ち明け、NHL(のチーム)では、もうプレーをしないと宣言。
ルー・ラモリエロGM(当時)も本人の意向を尊重し、(変則的ながら)13年も残っていたコバルチャクとの契約解除を受け入れたことから、コバルチャクは祖国のロシアを中心に繰り広げられているKHLで、残りのキャリアを全うするものと思われました。
▼コバルチャクの心変わり
ところが、コバルチャクの気持ちを大きく揺るがす出来事がありました。
それは、「ピョンチャン オリンピック」での金メダル獲得です!
今春に当サイトに掲載しましたが、あらためて紹介すると、、、
国際アイスホッケー連盟が制定するトリプルゴールドクラブは、「オリンピック」、「世界選手権」、「NHL」で全て優勝した者だけが名を連ねるアイスホッケー界最高の栄誉!
ロシアのメディアによると、ピョンチャン オリンピックで、ともに金メダルを勝ち取ったパベル・ダツック(FW・39歳/スカ サンクトペテルブルグ)がメンバー入りを果たしたことから、一際思いが強くなった模様です。
▼残るはNHLでチャンピオンになること!
このような気持ちの変化が、だんだんと強まっていったコバルチャクにとって、トリプルゴールドクラブのメンバーに加わるための最後のハードルは、「NHLでチャンピオンになること」!
サンクトペテルブルグとの契約が今季をもって満了したため、再びNHLへ活躍の場を移すことが濃厚だと見られていました。
そんな中、現地のメディアの報道では、コバルチャクの妻が「大きな都市で暮らしたい」と強く希望したとも伝えられ、
「チャンピオンを狙えるチーム」
「大都市をフランチャイズとしているチーム」
という二つの条件にかなったロサンゼルスと、合意に至った模様です。
▼「シュート力のある選手が必要だ」
現役時代はロサンゼルスの主力FWとして活躍した ルク・ロバタイユ社長(52歳)は、他チームと比較して近年は得点力で見劣りすることから、「シュート力のある選手が必要だ」と、コバルチャクをターゲット にした理由を明かしました。
一方、妻の願いどおり、アメリカ西海岸で随一の大都市であるロサンゼルスがホームタウンになるとあって、コバルチャクの妻はもちろん、子供たちも大喜びの様子!
コバルチャクは(アイスホッケー界の新年度となる)来月1日を待ってから、ロサンゼルスとの3年契約を結ぶ見込み。
「トリプルゴールドクラブ」のメンバー入りを切望するコバルチャクと、3度目のスタンレーカップ獲得を目指すロサンゼルスが描く青写真は、現実のものとなるのでしょうか?
35歳になって(今さら?)祖国を離れるロシア屈指のポイントゲッターのプレーに、注目が集まりそうです。