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挑戦者決定戦進出は永瀬拓矢王座(29)か? 佐藤康光九段(52)か? 12月6日、棋王戦勝者組決勝

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 12月6日。東京・将棋会館において第47期棋王戦挑戦者決定トーナメント勝者組決勝、永瀬拓矢王座(29歳)-佐藤康光九段(52歳)戦がおこなわれます。

 本局の勝者は挑戦者決定戦二番勝負に進出。そこで敗者復活戦の勝者と対戦し、1勝すると渡辺明棋王(37歳)への挑戦権を獲得できます。

 棋王戦はベスト4以上は2敗失格のシステム。本局と同日におこなわれる敗者復活戦(1回戦)郷田真隆九段-豊島将之九段戦で敗れた方は2敗目となり、今期は敗退となります。

 永瀬王座はここまで稲葉陽八段、木村一基九段、豊島将之九段を連破して勝ち上がってきました。

 一方の佐藤九段は山崎隆之八段、池永天志五段、谷合廣紀四段、郷田真隆九段に勝っています。前局の郷田九段戦は序盤から単騎で前線に銀を繰り出す奇想天外な構想を見せ、最後は苦戦をはねのけて逆転勝利を収めた名局でした。

 佐藤九段と永瀬王座の過去の対戦成績は佐藤5勝、永瀬3勝(3千日手)です。

 昨年の竜王戦1組出場者決定戦では佐藤九段が勝っています。

 また直近のA級順位戦でも佐藤九段が大熱戦を制しています。

 両者のA級の星取りは対称的で、佐藤九段は2連敗から3連勝。永瀬王座は2連勝から3連敗です。

 永瀬王座の今年度成績は23勝16敗(勝率0.590)です。

 佐藤九段の今年度成績は17勝8敗(勝率0.680)です。

 日本将棋連盟会長として日々激務をこなしながら、この好成績は恐れ入るよりありません。

 12月1日、永瀬王座の就位式がありました。

 就位式には会長として出席していた佐藤九段。今期王座戦ではあと一歩のところで挑戦権を逃しています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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