羽生善治四冠と佐藤康光棋聖が「炎の十七番勝負」含めて23局戦った2005年度
2019年、夏。将棋界では、豊島将之名人・王位と木村一基九段の熱いマッチレースを見ることができました。来る日も来る日も、豊島-木村戦を見ていたような気がした方も多いのではないでしょうか。
王位戦七番勝負と、竜王戦挑戦者決定戦三番勝負。これらを合わせた番数から「炎の十番勝負」と呼ぶ人もいました。
「炎の○番勝負」という言い回しは、最近では2017年、「藤井聡太四段 炎の七番勝負」という特別マッチの名称でも用いられました。
さらにさかのぼって、2005年度。この年度は羽生善治四冠(当時33歳から34歳)と佐藤康光棋聖(34歳から35歳)が七大タイトル戦で4回顔を合わせました(肩書はいずれも当時)。
棋聖戦、王位戦、王座戦は連戦。五、七、五で、合わせて「炎の十七番勝負」という報道もされました。
棋聖戦はフルセットで佐藤棋聖が3勝2敗で防衛。
王位戦もフルセットで羽生王位が4勝3敗で防衛。
王座戦は羽生王座が3連勝で防衛。
「十七番勝負」のうち、15局は実際に戦われたことになります。
余談ながら、ちょうどこの頃は、瀬川晶司アマ(現六段)のプロ編入試験六番勝負がおこなわれ、そちらも大変な注目を集めていました。
「十七番勝負」から2か月ほどの間をおいて、羽生、佐藤の両者は、今度は王将戦七番勝負でも戦いました。
王将戦では、羽生王将3連勝の後に佐藤挑戦者が3連勝を返すという劇的な展開。
最終第7局は羽生王将が制して、防衛となっています。
まとめると、羽生四冠-佐藤棋聖が多く戦った2005年度は、4度のタイトル戦のうち3度はフルセットとなり、王位戦、王座戦、王将戦は羽生防衛。棋聖戦は佐藤防衛。さらにA級順位戦も合わせて23局を戦い、結果は羽生14勝、佐藤9勝でした。
両者の戦いは、以後も長く続きました。2019年9月の現時点では、161局戦って、羽生九段107勝、佐藤九段54勝という成績が残されています。