18勝(12KO)1敗の世界4位
第3ラウンド終了のゴングとほぼ同時に放った左フックが、ロナルド・クルズ(32)のテンプルを捉える。クルズは堪らずキャンバスに沈む。翌ラウンドも同じパンチで、クルズはダウンを喫した。
2024年5月4日、WBAスーパーウエルター級4位にランクされるヴィト・ミエルニッキ・ジュニア(21)が、ラスベガスのT-モバイル・アリーナでワンサイドの判定勝ちを収めた。スコアは99-89、98-90、96-92。
勝者の戦績は、18勝(12KO)1敗、クルズは19勝(12KO)4敗1分となった。
ニュージャージー州ニューアーク出身のミエルニッキは、7 歳の時に教会の地下にあったジャマー・カーター・ジムに通い出し、ずっとボクシングを続けてきた。フィラデルフィア、ボルチモア、ワシントンD.C.などのトップアマと拳を交えながら成長し、現WBAライト級チャンピオンのジャーボンテイ・デービスとは、何度もスパーリングで手を合わせた。
アマチュア成績は 147 勝 22 敗。2011 年、2012 年、2014 年、2015 年と4度、米国ジュニア王座に就いている。カナダ、プエルトリコ、イングランド、セルビア、スペイン等に遠征した国際試合でも10勝2敗し、注目を集めた。
2019年7月13日にプロデビュー。8回戦時代に一度負けているものの、順調に歩を進めているかに映る……。
デオンテイ・ワイルダーvs.ルイス・オルティス第2戦、ワイルダー対タイソン・フューリー第2戦、そして、今回も統一スーパーミドル級4冠王者、サウル・"カネロ"・アルバレスvs.元WBOスーパーウエルター級チャンプ、ハイメ・ムンギア戦の前座が用意された。
彼には毎回、まず負けることのない相手を慎重に選んだ、手厚いマッチメイクが施されている。クルズとミエルニッキではスピードがまるで違った。とはいえ、3、4回とダウンを奪いながら仕留め切れない様は、世界4位の行く末を案じさせた。
試合前、「今の立場にいられて、幸せです。当日は是非、僕のファイトをお見逃しなく。圧倒的なパフォーマンスと火花の散る内容を期待してください。自分は、試合ごとにどんどん成長していきます」と語っていたミエルニッキ。この路線でキャリアを重ねることは、彼にとってプラスなのか。