政府は消費税対策を『ペイペイ方式』に。10日間で190万人 経済効果は500億円
KNNポール神田です。
『100億円キャンペーン』で190万人獲得したPayPay
スマホアプリを分析するフラー(千葉県柏市)によると、ペイペイによる100億円還元策の効果は非常に大きくユーザー数は推計で190万人を超えたという。担当者も「これほどの短期間で100万超のダウンロード数を獲得するのは極めて異例」と話す。ペイペイは今回のキャンペーンでもユーザー数を11月と比べ13倍に急増させた。
100億円のプロモーションで190万人獲得ということは、一人当たり5,263円で獲得したということとなる。しかも、これは単にダウンロードしただけのアプリのユーザー数ではなく、銀行口座やクレジットカード、電話番号、ヤフーIDなどを紐づけた最強のユーザー情報を持ったデータである。しかも実際に消費をおこなったアクティブユーザーでもある。クレジットカードなどの獲得コストは楽天の7000円相当のポイント還元などでもわかるように非常に高価である。※ポイントが期間限定であることが多いが…。それと比較してもたったの『5,263円』で獲得できたことは、第2、第3、の100億円キャンペーンがあることは容易に想像できる。
何よりも驚くべきは、100億円という20%還元ポイントを190万人のユーザーが、たったの10日間で使い切ってしまったという事実だ。さらに、還元されるのは2019年1月10日なので、実質500億円(100億円は還元される20%)を190万人が市場でスマートフォン決済でタレ流したことだ。※100%全額還元も金額はすでに決済され市場に流動化。つまり、一人当たり10日間で2万6,315円の消費である。
一人当たり10日間で2万6315円の消費の意味
2019年3月末までのキャンペーンで、早期で終わる可能性があると言われながらの『2万6,315円』の消費は、出遅れたとされる人たちの落胆の声も多く聞く。いや、出遅れたのではなく、これはあくまでも前哨戦でしか過ぎないだろう。むしろ、これからがメインだと筆者は想像する。なぜならば、社会のほとんどの人は、今回の10日間で100億円を使い切ったということを報道によって知ったからだ。おそらく、このキャンペーンの続編が、年末年始であれば、この10倍のパフォーマンスは発揮できることだろう。
10倍規模で考えると、一人当たり26万3150円の投資、1900万人ユーザーの獲得、1000億円の還元ポイント、5000億円の経済効果…。
いくらソフトバンクでもそこまでの投資は難しい…。それができる団体がいる…。そう、日本国政府だ。
政府は3000億円、20%キャッシュレスポイントで景気対策を
このキャッシュレスポイント5% 還元案はすでに発表されている。もしかすると、PayPayはこのアイデアを先にパクって実現したのかもしれないと思うほどだ。3000億円を5%で使うと、実質は6兆円の経済効果となるが、消費税が10%となって5%還元といっても景気対策にはまったくならないだろう。むしろ、3000億円を20%還元、一定比率でアタリで全額還元するとすればどうだろうか?
『PayPay方式』の3000億円を期間限定で使い切りのほうが、社会の景気を刺激できるはずだ。つまり、3000億円を20%還元に使うと、1兆5000億円を国民で山分けするのだ。
1兆5000億円を国民で山分け
キャッシュレスで買えば、すべての商品が20%ポイントで還元される。ただし、1兆5000億円まで。
この『PayPay方式』は、増税対策のめくらましや、参議院選挙対策(2019年8月実施)よりもインパクトがあるだろう。平成最後の景気対策としても、今まで何兆円ものハコモノへ投資をするよりも、3000億円の財源だけで、景気対策が実現できる。なによりも、対策の3000億円だけでなく1兆5000億円ものカネが動くのだ。そう、消費税10%時代を迎えるのであれば、それ以上のベネフィットがないと誰も消費をすることができない。
何よりも、消費者側の財布が緩むことによって、小売に潤沢に貨幣データが流動化する。建設などの企業からの上流では、企業内留保などで消え去ってしまう。しかし、下流からの景気刺激策として、『PayPay方式』は莫大なインパクトをもたらすことだろう。それを示したのがこのPayPayの10日間だ。
何よりも買い控えを防ぐためにも、発表後すぐに実施することが重要だ。そう、今は『PayPay方式』の第二弾、第三弾にそなえているところに、LINEが20%還元をすぐに発表し、実施した。メルカリのmerpayなども虎視眈々とこの機会を睨んでいることだろう。
そこに政府も後押しすることによって、国家をあげた大景気キャンペーンを実施することができる。
何よりも、最大の効果は、この消費財対策は、税金を使い切って終わるのではなく、ポイント還元の20%も必ず、市場に流通される点だ。そう還元ポイントとは、10割のタンス預金が市場に流れ、2割の還元ポイントも流れ、あわせて12割の市場の貨幣データの流動化を実現できるのだ。それだけでなく、消費データのビッグデータを大分析できる機会となる。
さらに期間限定ポイントとすることによって、必ず、タンスに戻ることなく市場に流れる。中小企業に限らず、店舗に流れたお金は雇用や景気にダイレクトに反映しやすことだろう。インフレ率2%という黒田総裁の夢もあっという間に実現しそうだ。
安倍総理、たったの3000億円、PayPay方式でどうだろうか?