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ラウタロはメッシの「新たな相棒」になれるのか?バルサで課せられる困難な使命。

森田泰史スポーツライター
トディボと競り合うラウタロ(写真:Maurizio Borsari/アフロ)

バルセロナがラウタロ・マルティネス獲得に向けてインテルと交渉を続けている。ミラレム・ピャニッチ、ネイマールといった選手が獲得候補に挙げられているが、バルセロナはラウタロの獲得を最優先に動いているようだ。バルセロナはすでにラウタロと個人合意に至っているといわれている。年俸1200万ユーロ(約14億円)の5年契約という大型契約が成立する見込みだ。

一方でインテルとの交渉は難航している。インテルでスポーツディレクターを務めるピエロ・アウリジオは先日、「バルセロナとコンタクトを取った。彼らとの関係は良好だ。だが我々にラウタロを売るつもりはない。彼を獲得する唯一の方法は契約解除金を支払うことだけだ」と語り、契約解除金1億1100万ユーロ(約133億円)の支払いを要求した。

■メッシの新たな相棒

インテルとしては、第一にラウタロの代役を確保しなければならない。マウロ・イカルディのパリ・サンジェルマンへの完全移籍が決定しているため、以前にも増してその必要性に駆られている。エディンソン・カバーニが筆頭候補とされているものの、現時点で合意には至っていない。

対して、バルセロナはあと数年メッシを中心にチーム作りを進めるだろう。そこで選ばれたのがラウタロだ。そしてラウタロはメッシの最高のパートナーであるルイス・スアレスの代わりを務める存在になり得る。

スアレスがバルセロナに加入したのは2014年夏だ。以降、メッシの相棒は彼以外に考えられなかった。バルセロナは移籍金8100万ユーロ(約97億円)でリヴァプールからスアレスを獲得。バルセロナでプレーした6シーズンで、270試合191得点を記録している。1試合平均0.7得点で、スアレスの1ゴールは40万ユーロ(約4800万円)になる。費用対効果は抜群である。

■バルセロナのアタッカー陣

アルダ・トゥラン、パコ・アルカセル、ウスマン・デンベレ、ジェラール・デウロフェウ、ケヴィン=プリンス・ボアテング、マウコム、フィリペ・コウチーニョ、アントワーヌ・グリーズマン、マルティン・ブライスホワイト...。2015年夏から2019年夏にかけて複数のアタッカーがバルセロナに到着した。

9選手の獲得費は4億8200万ユーロ(約578億円)に上る。彼らが記録したのは90得点で、スアレス一人の得点数に遠く及ばない。1試合平均0.26得点で、1ゴールは530万ユーロ(約6億円)の計算になる。

とりわけ、デンベレ、コウチーニョ、グリーズマンの獲得には巨額の資金が投じられた。彼らは2017年夏に退団したネイマールの代わりに加入したが、気付けばバルセロナはスアレスの後釜を確保しなければならない状況に置かれている。

33歳のスアレスに代えて、22歳のラウタロを据えるというのは理にかなっているように見える。ただ、そのミッションは決して簡単なものではない。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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