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小室圭さんが突如公表した文書の波紋と眞子さまとの結婚延期騒動めぐる気になる動き

篠田博之月刊『創』編集長
小室圭さんの文書公開を週刊誌も大々的に報道(筆者撮影)

 眞子さまとの結婚が延期になっている小室圭さんが2019年1月22日、突然、母親の金銭トラブルに関する見解を公表した。母親の元婚約者が返せと言っている400万円超のお金は借金とは考えておらず、この問題は既に解決済という、これまで報じられてきた通りの主張なのだが、当事者が発表したことで大きく報道された。

 22日に圭さんが文書を発表するというのは、前日の21日夜8時過ぎに共同通信が速報で流し、マスコミは大騒ぎになったようだ。最初にそれを聞いた時には、思わず別の文書内容を想像してしまった。この1年ほど、週刊誌では、もう眞子さまとの結婚はありえない、解決の道は、小室さん側が婚約を辞退することだという報道がなされてきた。皇室関係者が週刊誌を使って小室さん側にメッセージを送っていたという側面もあるのかもしれない。

 2018年11月の誕生日会見で秋篠宮さま自身も、このままでは婚約に当たる納采の儀は難しいと直接言明。追いつめられた小室家側が辞退の申し出をしてもおかしくない雰囲気だった。私も当初、てっきり小室さん側が婚約辞退を表明したのかと勘違いした。

 そもそもこの騒動のきっかけは、2017年末に出た『週刊女性』の記事で、そこには圭さんの母親が元婚約者への借金を返していないという話が書かれていた。しかし実はその何カ月か前から、週刊誌には、小室家がいかに貧しいかとか、父親が自殺したらしいといった話が次々と報じられるようになっていた。

 考えようによっては、母子家庭で育った小室さんが貧しい中で留学を行うなど努力を重ね、皇族と結婚というのは、美談仕立てで報じることだってできる。それがそうならずにバッシングが拡大していった背景には、恐らく皇室内外でこの結婚に反対する声があったからではないだろうか。

 例えば2017年の婚約内定会見で、小室さんが眞子さまを「月」にたとえ、眞子さまが小室さんを「太陽」にたとえたのだが、皇室関係者の間では、皇族が「月」で一般人が「太陽」とは何事だという反発もあったと言われている。どうもこの結婚に反対する動きの中に、皇室関係者の小室家の「家柄」を問題にする空気があったと思われる。

 ただ今回いささか驚くのは、あの文書内容を読むと、小室さん母子はもしかして事態をあまり認識してないのではないかという気もすることだ。例えば文書の冒頭がこうだ。「いつも温かいご厚情を賜り、御礼を申し上げます」。いくら外交辞令とはいっても、毎週のように週刊誌でバッシングされているのをこの人は知っているのだろうかと思わせる表現だ。もしかすると圭さんはアメリカにいるために週刊誌やその見出しをあまり見ていないのではないかとも推測される。まあ日本にいて毎週のようにバッシングの記事やその見出しを見ていたのでは精神的に参ってしまうだろうから、あまり知らない方がよいのかもしれないが。

 今回の文書公表に対しても週刊誌は、批判一色だ。「小室圭さん母子 ここまでヤバイひとだったとは!」(フライデー)、「小室圭さんと消えた母 秋篠宮さまに開き直った『逆襲文書』に眞子さま号泣!」(女性セブン)等々。

『女性セブン』の「眞子さま号泣」とは、宮内庁関係者の眞子さまについての匿名コメント「さらに厳しい状況に追い込まれてしまった。号泣しても足りない落胆ぶりのようです」からとったものだ。

 そうした報道の中で幾つか気になる記述もある。例えば『週刊文春』1月31日号「小室の乱『眞子さま洗脳』」が、文書公表をめぐる経緯を報じる中で書いているのだが、共同通信が21日夜に流した速報記事にこう書かれていたという。「関係者によると、眞子さまと小室さんの結婚の意思は固い。眞子さまも文書の公開を把握している」

 「関係者」とは小室さん側の関係者だろうが、当事者二人の結婚の意思は固いというのだ。今回の文書公表についても、圭さんが事前に眞子さまに相談していたことが明記されている。これが本当なら、世間が思っているよりも二人の意思は揺らいでいないのかもしれない。

 もうひとつ気になる情報は、『週刊新潮』1月31日号と『女性セブン』2月7日号が書いているが、小室さんの母親が両陛下に直接説明したいと申し出ているというものだ。『週刊新潮』は「宮内庁が腰を抜かす『小室圭さん』ご母堂の『天皇陛下』謁見要求」という見出しで、その行動を「蛮行」「倒錯の極み」と激しく糾弾している。

 しかし、一連の動きを見ると、小室さん母子が弁護士と相談しながら事態打開をかなり積極的に模索しているらしいことがわかる。

 傍目から見れば、元婚約者からの金銭が借金かそうでないかにこだわらず返済して解決してしまった方がよいように思うのだが、『フラッシュ』2月5日号の連載漫画で小林よしのりさんがこう提案している。

 「そんなに400万円が二人の間の障害だというならわしが出してやってもいい!」

 元婚約者との話し合いは近々行われるようなのだが、さてこの騒動、今後どういう展開をたどるのだろうか。

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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