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台湾WL《12/12》陽川 4安打で2度目のMVP!《12/13》横田 2試合で初HR含む7打点!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
12日は第1号3ランなどで5打点、13日も2打点と貢献した横田慎太郎選手。

台湾で開催中の『2015 アジア・ウインター・ベースボール・リーグ』も、残り試合が少なくなってきました。この前の記事で「日本が3連勝で首位タイに浮上」と書いたのですが、きのう13日も台湾プロチームに勝って4連勝!韓国を抑えて単独首位に立っています。阪神の陽川選手と横田選手も乗ってきたようで、きょう台湾入りした掛布ファーム監督にいいところを見せられそうですね。

さて台湾ウインターリーグ便り、きょうは12日に行われた韓国戦と13日の台湾プロ(CPBL)戦の結果を合わせてご紹介します。

◆12日、陽川が2度目のMVP◆

まず12日、日本は韓国と3度目の対戦し、なんと1回に打者13人で9得点を挙げて圧倒!その1回の攻撃で野手9人が、ヒット7本と四球3つで全員出塁したっていうのもすごいでしょう?陽川選手は2打席回ってきて、最初が猛攻の口火を切る二塁打、一巡して今度はトドメを刺す2点タイムリー二塁打、その後も単打と三塁打で4打席連続安打など全部で7打席。最終的に先発出場の選手みんなが6~7打席です。

9番のヤクルト・原選手を除く先発全員の17安打で、その原選手も6打席で3四球を選び、押し出しでの打点1としっかり貢献しています。他に巨人・和田選手も4安打2打点、そして横田選手は1回の3ランをはじめ計5打点と素晴らしい仕事ぶり。この時点で横田選手がMVPだろうと思いましたねえ。しかし…

《2015 亞州冬季棒球聯盟》

12月12日 州際 

韓国(KBO)-日本(NPB)

日本 914 000 000 =14

韓国 000 502 200 = 9

◆本塁打 神:横田1号3ラン

◆三塁打 神:陽川

◆二塁打 神:陽川2、ソ:上林、中:友永、韓国:2本

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]右:上林 (ソ)  (5-1-2/ 0-1 / 0 / 0)

〃右:真砂 (ソ)  (1-1-0/ 0-0 / 1 / 0)

2]中:友永 (中)  (4-1-0/ 0-3 / 0 / 0)

3]遊三一:陽川(神) (6-4-2/ 1-1 / 0 / 0)

4]三一遊:高橋(中) (6-2-0/ 1-0 / 0 / 1)

5]一三:和田 (巨) (6-4-2/ 0-0 / 0 / 1)

6]二:山下 (デ)  (5-2-1/ 1-0 / 0 / 0)

〃二:岡本 (巨)  (1-0-0/ 0-0 / 0 / 0)

7]指:横田 (神)  (5-2-5/ 0-0 / 0 / 0)

8]捕:山川 (ヤ)  (4-1-0/ 1-2 / 0 / 0)

〃捕:張本 (ソ)  (0-0-0/ 0-0 / 0 / 0)

9]左:原 (ヤ)   (3-0-1/ 3-3 / 0 / 0)

◆投手  (打-振-球/失点-自責/暴投)

巨:平良 5回 86球 (5-3-3 / 5-5 / 0)

神:田面 1回 22球 (1-0-2 / 2-2 / 0)

ソ:岡本 2回 37球 (2-2-2 / 2-1 / 0)

ヤ:児山 1回 31球 (1-1-2 / 0-0 / 0)

<試合経過>

日本は3回までに15安打で16得点と圧勝のはずでしたが、韓国は4回以降に9点を返しています。まず攻撃。1回2死から陽川が右中間フェンスに到達する二塁打を放ち、高橋の内野安打で一、三塁。続く和田の右前タイムリーで1点を取り、なおも一、三塁で山下が右前タイムリー。一、二塁から横田がライトへ3ラン!

まだ続きます。山川と原は連続四球、一巡して上林が右越えタイムリー。ライトのエラーが重なって原も生還し、上林は三塁へ。友永の四球で2死一、三塁となり、陽川がまたも二塁打!今度は左中間フェンスを直撃する当たりで、一塁から友永も還す2点タイムリー。高橋までの打者13人で7安打(うち本塁打1、二塁打3)と3四球により、一挙9点を先取しました。

2回は和田と山下の連打で無死一、三塁として横田が左犠飛を放って10点目。3回は友永の左翼線二塁打と陽川の左前打で無死一、三塁。1死後に和田の左前タイムリー、山下の中飛で2死一、三塁となり横田が左前タイムリー!そのあと山川の振り逃げで2死満塁とチャンスは続き、原と上林が連続で押し出し四球を選びました。この回も打者10人で4安打2四球、4点を加えて14対0と大差をつけます。

4回は先頭の陽川が右中間フェンス直撃の三塁打!しかし高橋の投ゴロで陽川が狭殺、後続も断たれて得点なし。5回は横田がセカンドの捕球エラー、原の四球もありましたが無得点。6回は高橋と和田が連打で1死一、三塁としたものの、やはり後が続かず。7回も3四球を選んで2死満塁と攻めながら3者残塁。8回は三者凡退で、9回は2死から真砂の中前打と盗塁、暴投、友永の四球で一、三塁としますが陽川は遊ゴロ。4回以降は0点でした。

投手陣は先発の平良が3回まで1安打1四球のみで無失点の好投!ところが3回、先頭から連打、さらに連続四球を与えて押し出しで1点を失い、無死満塁で6番に中犠飛。この打球で走者も進めてしまい、1死二、三塁で7番に2点タイムリー二塁打を浴びます。8番の右前打で一、三塁となり、9番位も右前タイムリー。あとは連続三振を奪ったものの5点を返されました。なお5回は三者凡退で締めています。

6回は田面が登板。先頭に四球を与えるも次は右飛で1死。続いてストライク、空振りと変化球2球で追い込みながらカーブが死球となって、9番に右中間への2点タイムリーを浴びました。7回の岡本は2番に中前打され、ショート高橋のエラー(トンネル…)、死球で無死満塁として1死後に押し出しの四球、さらに7番の中前タイムリーで2点を追加されます。8回は三者凡退。9回は児山が1安打2四球で満塁のピンチを招くも無失点で試合終了。

またサイクル安打にあと一歩

陽川選手は1回2死ランナーなしで右中間フェンスにワンバウンドで到達する二塁打。同じく1回2死一、三塁で1-0からの2球目を打って、左中間フェンス直撃の2点タイムリー二塁打。3回は無死二塁で左前打。4回は先頭で、カウント1-2から5球連続ファウルで粘り、10球目を右中間へ。センターの頭上を大きく超え、フェンス直撃の三塁打となりました。6回は先頭で、フルカウントからの6球目を空振り三振。7回は2死一塁で四球。9回は2死一、三塁で2ストライクから3球目を打ち遊ゴロという内容です。

12日は誰もが打った試合でしたが、その中で2度目のMVPに選ばれた陽川選手。
12日は誰もが打った試合でしたが、その中で2度目のMVPに選ばれた陽川選手。

二塁打、二塁打、単打、三塁打で4安打2打点。「また4安打?またMVP?」とメッセージを送ったら「はい。たまたまです。またサイクル逃しました(笑)」。ですよねえ。前回MVPを獲得した3日も、あとホームランが出ればサイクル安打でした。それはヒーローインタビューでも聞かれたようで「正直なところ意識していなかったと言ったら嘘になるので、意識はしていました」と答えています。

そのあと質問が聞こえなかったんですけど、どうやら掛布監督が台湾に来るということを振られたんでしょうね。「今いい結果が続いているので、掛布さんが来られた時にも、しっかりこういう結果が残せるようにやっていきたい」と話していました。ヒーローインタビューのコメントは以上です。

ところでヒット4本の手応えは?「いい当たりでした!」。逆方向へ、いい打球が飛んでいますねと言ったら「はい、いい感じだと思います。このウインターリーグは右方向にいい感じで打てています!」と頼もしい言葉が返ってきました。これで塁打数は29となり、リーグ単独トップに立った陽川選手。13日の試合でDeNAの山下選手と韓国の鄭選手に並ばれたものの、まだトップに変わりはありません。

なお、記事にするタイミングを逃してしまった陽川選手の1号ソロは、12月3日の欧州選抜戦で出ています。6対1と大きくリードされていた6回に、先頭打者で2ボールからの3球目(132キロ)をセンターへ放り込みました。「打ったのはストレート。手応えもよかったです!」。風は?「吹いていました」…おっとビックリ。横田選手の返事かと思ったじゃないですか(笑)。「センターからライト方向って感じですかね」。了解です。

MVPを手にし損ねた横田

12日の横田選手は1回2死一、二塁で、カウント2-2からの5球目を打ってライトへ待望の第1号!リードを広げる3ランを放ち、2回は無死一、三塁で2-0から左犠飛。3回は2死一、三塁で1-2からの4球目を打ち左前タイムリー。3打席連続打点ですね。5回は先頭でセカンドのエラー、6回は2死一、三塁で三邪飛。8回は2死ランナーなしで遊ゴロでした。

ホームランは「スライダー」だそうです。当たりは完ぺき?「普通ですね」。いい打球に見えたけどなあ。「まあまあですね」。そうですか。打てていない試合があるものの「調子は悪くないですよ」と言っていましたし、画像で見る限り最近の試合は感じよく打てているような気がします。

この日は3ラン、犠飛、タイムリーと5打点も挙げた横田選手ですから、これはもうMVPだと思いました。本人も試合序盤で「もらったな」と確信したんじゃないですかねえ。陽川選手も「横田、思っていたでしょう(笑)」と言うので、チラッとそんな考えがよぎったのではないかと横田選手にも聞いてみました。「思ったっすよ!」。やっぱり。残念だったね。「また頑張ります!」。はい、楽しみにしています。ヒーローインタビューはちょっと気がかりだけど…。

◆13日は横田が2安打2打点◆

翌13日は台湾プロチーム(CPBL)と4度目の対戦でした。この試合も序盤に大量リードを奪った日本。先制の2点タイムリーなど3安打した中日の友永選手がMVPを獲得、好投の同僚・浜田投手に初勝利をプレゼントしています。阪神の横田選手は2番ライトでフル出場、2回のタイムリーを含む2安打2打点でした。陽川選手は7回からの守備のみで打席はありません。

《2015 亞州冬季棒球聯盟》

12月3日 州際

台湾プロ(CPBL)-日本(NPB)

日本 060 101 000 = 8

台プ 001 000 001 = 2

◆本塁打 台:陽耀勳ソロ(浜田)  

◆二塁打 巨:岡本、中:友永、台:蘇緯達

◆打撃   (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]中:真砂 (ソ)  (4-1-0 / 1-1 / 1 / 0)

2]右:横田 (神)  (4-2-2 / 1-1 / 0 / 0)

3]三一:岡本 (巨) (4-2-3 / 0-0 / 0 / 0)

4]左:上林 (ソ)  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0)

〃左:原 (ヤ)   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

5]遊二:高橋 (中) (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

6]一三:和田 (巨) (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

7]二:山下 (デ)  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃遊:陽川 (神)  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

8]捕:桂 (中)   (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃捕:山川 (ヤ)  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

9]指:友永 (中)  (4-3-2 / 0-0 / 0 / 0)

◆投手  (打-振-球/失点-自責/暴投)

中:浜田 5回 63球 (2-5-1 / 1-1 / 0)

巨:今村 2回 17球 (1-0-1 / 0-0 / 0)

中:岸本 1回 12球 (0-2-0 / 0-0 / 0)

デ:柿田 1回 22球 (3-2-0 / 1-1 / 0)

<試合経過>

打線は2回1死から和田、山下、桂の3連打で満塁とし、友永がピッチャーの足元を抜く中前タイムリーを放って2点を先取!真砂は四球で再び満塁となり、横田が左前タイムリー!この時レフトが素晴らしいバックホームを見せるも、友永のスライディングでキャッチャーがボールをこぼし2人目も生還しました。真砂と横田は進塁して1死二、三塁となり、続く岡本が左中間へタイムリー二塁打!ここも2人を還して計6点です。

4回には先頭の友永が左越え二塁打で出て、真砂の二ゴロエラーで一気に生還!6回も先頭の友永が右前打、真砂は二ゴロで走者が入れ替わり、横田の右前打で1死一、三塁。岡本が右犠飛を打ち上げ1点追加しています。7回と8回は三者凡退、9回に先頭の横田が死球で出塁するも岡本の遊ゴロで併殺となり、結局3イニングとも3人で片づけられました。

日本チームの先発は浜田。1回2死からヒットと四球を許したものの5番は三振!2回は三者凡退。3回は1死後、1番打者にホームランを打たれますが以降を完ぺきに抑え、2安打1失点の素晴らしいピッチングです。ついで今村が登板。6回は先頭にショート内野安打、7回はやはり先頭に四球を与えながら、どちらも併殺!3人ずつで終えました。8回の岸本も2三振を奪うなど三者凡退です。

9回は柿田。連続三振で2死を取ったあと3番の代打に右翼線二塁打、4番は中前打で一、三塁として5番に左前タイムリーを浴びて1点を返されました。次は遊ゴロに打ち取って試合が終わっています。

横田が打率3割、打点も10に

これで13試合を消化した日本チームは、4連勝で単独首位をキープしました。13日現在の個人成績を見ると、打率はトップが韓国の鄭選手で.415、2位はDENAの山下選手で.386、阪神の陽川選手が.381の3位です。ホームラン数は韓国の李選手の4本がトップで、ソフトバンクの上林選手が3本、中日の高橋選手らが2本、陽川選手と横田選手は1本ずつ。

打点は巨人の岡本選手と韓国の鄭選手が14点で1位タイ、上林選手が13点で、陽川選手と横田選手らが10点で続いています。また盗塁数はソフトバンクの真砂選手が4試合連続で成功させて10個に到達!2位に3つも差がつきました。8回の守備から出場しても、9回にヒットを打ってすぐ決めたりしていますからねえ。

10月、フェニックスリーグで掛布監督(当時はDC)にアドバイスを受ける横田選手。
10月、フェニックスリーグで掛布監督(当時はDC)にアドバイスを受ける横田選手。

前日と合わせて7点、一気に4位タイの10打点となった横田選手。この日は1回が無死二塁で2-2からバットを止めるもスイングを取られて三振。2回は1死満塁で2-0からの3球目、真っすぐを打ってレフトへの2点タイムリー。4回が無死一塁で一邪飛、6回は1死一塁で1ストライクからの2球目を打って右前打、9回は先頭で死球。1球目がインコースに来て、よけた時にユニホームの右袖かヒジ当てを掠ったような、いや本人も当たった感触はなかったかも、というものでした。

2点タイムリーも、前日の犠飛やタイムリーもレフト方向でいい感じ?と聞いたら「はい!」と言う返事。これで打率も3割ちょうどになりました。3割に乗ったね。「その通りです!」。ありがとうございます(笑)。掛布監督ともう出会ったでしょうか。あすからの残り試合もしっかり打ってください。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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