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1勝3敗から3連勝でワールドシリーズ進出は何度あるのか。メッツは1勝3敗。ドジャースに追い詰められる

宇根夏樹ベースボール・ライター
フィル・メイトン(手前)とムーキー・ベッツ Oct 17, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月17日、ニューヨーク・メッツは、2対10でロサンゼルス・ドジャースに敗れた。ここまでのリーグ・チャンピオンシップ・シリーズでメッツが勝ったのは、7対3の第2戦だけ。第1戦と第3戦は、完封負けを喫した。スコアは、0対9と0対8だ。

 メッツの12投手中、このシリーズで失点ゼロは、ライン・スタニックエドウィン・ディアズしかいない。2人とも、第2戦に1.1イニングを投げ、あとの3試合には登板していない。

 1リーグ3地区となってから行われた、1995~2023年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズは、4試合を終えて、4勝0敗/0勝4敗――スウィープでシリーズ終了――が8度、3勝1敗/1勝3敗が36度、2勝2敗は14度だ。

 今年のドジャースとメッツは、最多のパターンと同じ。ちなみに、ア・リーグのニューヨーク・ヤンキースとクリーブランド・ガーディアンズは、3試合を終えて2勝1敗/1勝2敗なので、第4戦の勝敗により、3勝1敗/1勝3敗か2勝2敗となる。

 3勝1敗/1勝3敗の過去36シリーズ中、3勝1敗のチームがさらに1勝をプラスしてワールドシリーズ進出は30度、1勝3敗のチームが3連勝でワールドシリーズに進んだのは6度。6分の5(83.3%)と6分の1(16.7%)なので、そこには大きな差がある。

 ただ、今年のメッツがそうなるかどうかはさておき、あと1試合でも負けるとシリーズ敗退のところから3連勝が15%以上は、決して少なくない、という見方もできる。

 1勝3敗→3連勝の6チームは、1996年のアトランタ・ブレーブス(対セントルイス・カーディナルス)、2003年のフロリダ・マーリンズ(対シカゴ・カブス)、2004年のボストン・レッドソックス(対ニューヨーク・ヤンキース)、2007年のレッドソックス(対クリーブランド・インディアンズ)、2012年のサンフランシスコ・ジャイアンツ(対カーディナルス)、2020年のドジャース(対ブレーブス)だ。

 2004年のレッドソックスは、0勝3敗から4連勝。第4戦に勝ち、1勝3敗となった。その試合で、現ドジャース監督のデーブ・ロバーツが果たした役割については、こちらで書いた。

「ヤンキースは第1戦に続いて第2戦も白星。不振のジャッジもホームラン。2勝0敗から敗退の前例は…」

 なお、この6チーム中、1996年のブレーブスを除く5チームは、ワールドシリーズ優勝を飾っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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