順位決定戦の相手は、オランダ。なでしこジャパンは勝利で最終戦を締めくくれるか(1)
ポルトガルで行われているアルガルベカップに出場中のなでしこジャパンは、3月8日(水曜日)、 5位/6位決定戦に臨む。グループリーグ3試合を終え、結果は2勝1分。順位決定戦の対戦相手は、グループC、2位のオランダだ。
【オランダ女子代表とは?】
オランダ女子代表は、成長著しい女子サッカー新興国の一つである。愛称は男子と同じ、「オラニエ」(Oranje/オレンジ=独立の際の指導者である「オラニエ公ヴィレム」の名前に由来しており、オランダ代表のナショナルカラーでもある)。
最新のFIFAランキング(2016年12月23日付)では日本が7位、オランダは12位。これまでオリンピックの出場経験はなく、ワールドカップでは、初出場した2015年のベスト16が最高だ。
このカナダワールドカップ準々決勝で対戦した相手が日本で、この時は2-1で日本が勝利している。通算成績は3勝1敗で日本が勝ち越しているが、最後に対戦した2016年11月の親善試合(オランダ/フォーレンダム)は、日本が1-3で敗れた。
オランダは今年7月に開催されるUEFA欧州女子選手権(Women’s EURO)2017のホスト国にもなっており、女子サッカーの強化に力を入れている。
今大会ではスウェーデン、オーストラリア、中国が同居する激戦区に入ったが、スウェーデンと中国を1-0で破り、グループ2位になった。
オランダを率いるサリナ・ウィーフマン監督は、元オランダ女子代表のディフェンダーであり、100を超える代表キャップ数を誇る。同チームのアシスタントコーチを2年半務めた後、今年1月に監督に昇格した。
今大会に臨む23名の選手の内訳をみると、オランダの国内リーグでプレーする選手が11人を占める一方、ドイツ、フランス、イングランド、スウェーデンなどの国外でプレーする選手は12人と、半数以上に上る。
オランダの男子A代表のお家芸とも言えるカウンターからの速攻は、女子にも受け継がれている。長身の選手が多く、空中戦も脅威だ。
攻撃で最も警戒したいのが、FWヴィヴィアン・ミーデマだ。彼女は所属するバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)で、若干20歳で背番号10を背負うストライカーであり、FW岩渕真奈とチームメートでもある。2013年からA代表に定着しており、ヨーロッパ最高のFWと言われる選手の一人だ。強靭なフィジカルを生かしたポストプレーや強烈なシュートには十分に警戒したい。
同い年の長谷川も、ミーデマの存在に刺激を受け、対戦を楽しみにしているという。
「(ミーデマ選手の)プレーを見るのも楽しみだし、対戦するのも楽しみです。負けないぐらい、良い結果と内容を出せるようにしっかり準備したいです」(長谷川)
【今大会の総決算となる大事な試合】
2016年6月にチームがスタートしてから、日本は前線から連動して、高い位置でボールを奪いに行く守備に取り組んできた。ここまでの3試合を通じ、守備時のポジショニングが課題として上がっているが、その課題を克服し、良い形でボールを奪えるかどうか。
それは、この試合で日本が主導権を取る上でのポイントとなる。
ここまでの3試合は特に守備面での修正が多くなっているが、それも、良い攻撃のための土台作りである。
攻撃面では、ゴール前でのコンビネーションを活かして早い時間帯に先制点を挙げることができれば、試合を優位に進められる。大会前の合宿から取り組んできたパススピードのアップと選手間のコミュニケーションも、良いコンビネーションを発揮するための鍵となる。
また、「ボールを持った瞬間に、(パスではなく)まずゴールを見る」という、個人の積極的な判断も、高倉監督が強調するポイントだ。
日本は3試合で、FW横山久美が3ゴール、MF長谷川が2得点を挙げている。
「センターバックでもボランチでも、いろんな選手に点を取ってほしいと伝えています。」(高倉監督)
高倉監督の下で臨む初の国際大会となった今大会で、日本は試合ごとにメンバーの組み合わせやポジションを入れ替えながら、修正とチャレンジを繰り返して来た。
多くの選手が関わりながらゴールを目指す攻撃的なサッカーを目指す日本にとって、一つひとつの国際試合が貴重な経験となる。
大会の総決算となる大事な一戦で、様々な課題を良い形で具現化することで、着実な成果を日本に持ち帰って欲しい。
オランダとの5位/6位決定戦は、3月8日(水曜日)、23時45分(日本時間)にキックオフ。23時30分から、フジテレビ系列にて全国生中継(一部地域を除く)。