「今年のワールドカップは、メッシの大会となる!」
元浦和レッズのアルゼンチン人のコーチ、セルシオ・エスクデロにワールドカップ優勝国を占ってもらった。
「贔屓目に見ても、冷静に見ても、今回のワールドカップはアルゼンチンにとって、大きなチャンスと言えます。チームとして一番まとまっていますよ。南米予選は1位で通過したし、20人以上の代表候補選手がいて、メッシ一人じゃないんです。
攻撃陣のイグアイン(ナポリ)、アグエロ(マンチェスターC)、ディマリア(レアル・マドリード)は、BIGクラブでレギュラーであるばかりでなく、それぞれのリーグで得点王争いを繰り広げているでしょう。DF面もヨーロッパで経験のある選手が多く、問題ないように見えますね。
サべーラ監督がやろうとしているサッカーが、いい形で完成しつつあるように感じます。彼はリバープレートの選手でしたが、守備を良く学んでいます。4年前のマラドーナ監督ですが……彼は、素晴らしい選手でしたが、監督としては物足りなかった。もっといいDFがいたのに攻撃重視で守備が疎かになっていましたよね。それがドイツに0-4という数字になって現れたんじゃないかな。
78年のメノッティ監督は爆発的な攻撃力で勝ち上がりましたよね。3トップの右ウイング、左ウイングがサイドからの突破をいつも狙っていました。86年をまず守備を重視し、攻撃はマラドーナにボールを集めようという戦術でした。カウンターアタックが上手く機能しましため。
今のチームはカウンターじゃなく、きちんとボールを繋いで崩すことが出来、守りも固いチームになってきたんじゃないでしょうか。
ライバルはスペイン、ドイツ、ブラジル。この3国とアルゼンチンが4強入りすると見ています。スペインは主力が高齢化していますし、怪我人も見受けられます。国自体の経済力も落ちてきています。かつてのスペイン代表選手は、ほとんどが国内リーグでプレーしていました。だから、密度の濃いトレーニングキャンプができました。でも、今は選手がどんどん海外に出て行っていますね。集まることも厳しいでしょう。とはいえ強いし、勝負するところは勝負しますから侮れません。
ドイツは若手の台頭もあって、非常にいいサッカーを見せていますね。歴史的にスピードがあって、センタリングとヘディングの強いイメージです。試合になると物凄い粘り強さを発揮するでしょう。我々アルゼンチンにしてみれば、相性も悪いんです。86年の決勝では勝ちましたが、あとは勝てていませんから。
ブラジルは先日お話した通り、守備に難点がありますから、アルゼンチンが勝つ可能性が高いです。
今回はメッシの大会になるでしょう。彼がペレ、マラドーナと並ぶ伝説の男になる、そういうワールドカップとなると信じています。6月まで、あまり過密スケジュールにせず、休ませるところはきちんと選手を休ませ、コンディションさえ整えればアルゼンチンが優勝しますよ。
メッシは南アフリカ大会のナイジェリア戦で、5回、6回とチャンスがありましたが、ゴールを決められなかった。相手のGKもいい選手でしたしね。ゴールはしていませんが、今回は要所要所で得点をあげ、存在を証明することでしょう」。