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【JAZZ】モダニズムを継承するジャズ・レジェンドの来臨(ルイス・ヘイズ@コットンクラブ)

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家
ルイス・ヘイズ『リターン・オブ・ザ・ジャズ・コミュニケイターズ』
ルイス・ヘイズ『リターン・オブ・ザ・ジャズ・コミュニケイターズ』

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、伝説のドラマー、ルイス・ヘイズの25年ぶりとなる来日。

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1950年代からジャズの最前線でモダン・ジャズのリズムを支え続けるレジェンドが25年ぶりに来日する。

ルイス・ヘイズは1937年米ミシガン州デトロイト生まれ。父はドラム、母はピアノを演奏する音楽一家で育ち、幼いころからラジオで流れるビッグバンドのジャズを聴いて育った。10代ですでにユゼフ・ラティーフのもとでカーティス・フラーとともにプロとして活動するようになり、1956年に(まだ19歳の若さで)ハード・バップの生みの親として知られるホレス・シルバーのクインテットに抜擢される。さらに人気絶頂のキャノンボール・アダレイ・クインテットやオスカー・ピーターソン・トリオにも在籍するなど、ジャズの黄金期を象徴するバンドのリズムをクリエイトしてきたのがルイス・ヘイズというドラマーだ。

“黄金のジャズ時代”を現在に伝える布陣

ジャズ・コミュニケイターズは、ルイス・ヘイズが率いるキャノンボール・レガシー・バンドとともに、彼の活動の主軸になっているユニットのようだ。2014年には『Return of the Jazz Communicators』もリリース(配信)している。メンバーは今回の来日と同じ。

エイブラハム・バートンは2000年リリースの『ドリフティング・インワード』で強烈な印象が残っているし、バートン同様にジャッキー・マクリーンのもとで腕を振るったスティーヴ・ネルソンもこの15年ほどの要チェック人物。さらに、新鋭のデズロン・ダグラスとデヴィッド・ブライアントというひと世代若い気鋭のミュージシャンが参加することで、ルイス・ヘイズが伝承しようとしているジャズがどのような化学反応を起こすのかが楽しみなステージだ。

では、行ってきます!

●公演概要

1月7日(水)〜9日(金) 1st 開場17:00/開演18:30 2nd 開場20:00/開演21:00

1月10日(土) 1st 開場16:00/開演17:00 2nd 開場18:30/開演20:00

会場:コットンクラブ(丸の内)

出演:ルイス・ヘイズ(ドラム)、エイブラハム・バートン(テナー・サックス)、スティーヴ・ネルソン(ヴィブラフォン)、デヴィッド・ブライアント(ピアノ)、デズロン・ダグラス(ベース)

♪Louis Hayes Quintet Live- Simple Pleasures (2014 Smoke Sessions)

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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