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各球団最後の「奪三振王」。横浜DeNAは15年前に「新監督」が177三振を奪ってから…

宇根夏樹ベースボール・ライター
石井一久(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 今シーズン、大野雄大(中日ドラゴンズ)は、リーグ最多の148三振を奪った。セ・リーグで読売ジャイアンツ以外の投手が「奪三振王」となるのは、2015年の藤浪晋太郎(阪神タイガース)以来だ。2016~19年は、それぞれ、菅野智之マイルズ・マイコラス(現セントルイス・カーディナルス)、菅野、山口俊(現トロント・ブルージェイズ)が「奪三振王」だった。マイルズと山口だけでなく、来シーズンは菅野もメジャーリーグで投げている可能性が高い。

 一方、今シーズンのパ・リーグで最も多くの三振を奪ったのは、千賀滉大(福岡ソフトバンクホークス)と山本由伸(オリックス・バファローズ)だ。ともに149奪三振。このタイトルを複数の投手が分け合うのは4度目だが、パ・リーグでは初めて。また、千賀の「奪三振王」は2年連続――昨シーズンは227奪三振――ながら、それまでの5シーズンは、則本昂大(東北楽天ゴールデンイーグルス)がタイトルを独占していた。

 各球団最後の「奪三振王」は、以下のとおり。

 中日の「奪三振王」は、2006年に194奪三振の川上憲伸以来。オリックスは、2013年に200奪三振の金子千尋(弌大/現・北海道日本ハムファイターズ)以来。千賀の前に福岡ソフトバンクでこのタイトルを獲得したのは、2008~09年の杉内俊哉だ。杉内は2012年にも、読売で「奪三振王」となっている。2球団でこのタイトルを手にした投手は、他に皆無。ちなみに、野茂英雄ダルビッシュ有(現シカゴ・カブス)は、日本プロ野球とメジャーリーグで「奪三振王」となっている。野茂は1990~93年が近鉄バファローズ、1995年がロサンゼルス・ドジャース、2001年はボストン・レッドソックスなので、パ・リーグ、ナ・リーグ、ア・リーグの3リーグだ。ダルビッシュは2007年と2010~11年が北海道日本ハムファイターズ、2013年はテキサス・レンジャーズ。カブスでも「奪三振王」なら、野茂と並ぶ3リーグになるが、今オフにトレードされるかもしれず、来シーズンはどちらのリーグで投げるのか、まだわからない。

 横浜DeNAベイスターズの投手が「奪三振王」となったのは、来シーズンから采配を振る三浦大輔が、横浜ベイスターズ時代の2005年にチームメイトの門倉健とタイトルを分け合ったのが最後だ。東京ヤクルトスワローズの最後は、2000年の石井一久(ヤクルトスワローズ時代)。石井も来シーズンから、東京ヤクルトではないものの、東北楽天で指揮を執る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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