Yahoo!ニュース

関東は猛烈残暑一転11月上旬並みの肌寒さも 体調管理に十分注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
実況天気図(ウェザーマップ)

秋雨前線の北は秋、南は真夏

最高気温(ウェザーマップ)
最高気温(ウェザーマップ)

タイトル画像にあるように、日本付近に長々と横たわる秋雨前線が発生しており、秋雨前線らしく、この北と南で気温が大きく異なっています。

きょう1日(水)午後1時までの最高気温をみても、前線の北側の涼しい空気に覆われている関東以北は、多くの所で25度未満となっている一方、前線の南側の暑い空気に覆われている東海以西は、多くの所で30度以上の厳しい残暑となっています。

関東は20度未満の低温、11月上旬並みも

アメダスの気温(ウェザーマップ)
アメダスの気温(ウェザーマップ)

関東地方は北東からの冷涼な空気の影響もあり、朝からほとんど気温が横ばいか、雨の降っている所では、むしろ朝よりも日中に気温の下がっている所も多くなっています。

各地の気温と季節感(筆者作成)
各地の気温と季節感(筆者作成)

上図は各地の正午と午後1時の気温とその時間の平年値を調べたものです。

昼の気温としては、多くの所で10月上旬から中旬に相当するような肌寒さとなっており、特に宇都宮は午後1時の気温が17.5度まで下がってきています。

これはこの時間の平年値としては11月3日の文化の日に相当する肌寒さで、まさに上着が活躍するような気温となっています。

東京都心は63年ぶりの低温に?

東京都心の9月1日の最高気温(筆者作成)
東京都心の9月1日の最高気温(筆者作成)

東京都心で秋のスタートとなる9月1日の最高気温を観測のある1875年以降で調べてみました。(1923年は欠測)

まず30度以上の真夏日となった日の割合は約55%だったのに対し、30度未満となった日の割合は約45%ですから、9月のスタートは真夏日となる割合の方がやや多いという結果になりました。

なかでも35度以上の猛烈残暑となった日は3回あり、1942年35.8度、2010年35.9度、2013年35.7度となっています。

一方、気温の低い方に注目すると、夏日にもならなかった25度未満の回数は12回で、割合にすると10%足らずとなり、このうち最も低かったのは1935年の19.7度となっています。

近年では、2014年に23.8度、2007年に24.4度を記録していますが、その前は1958年の21.5度までさかのぼることになりますので、この半世紀では、25度未満の低温が出にくくなっていると言えるかもしれません。

東京都心のきょう1日(水)の最高気温は、午前7時31分に記録した23.5度で、その後日中にかけて気温がやや下がっており、21度から22度程度で推移しています。(午後1時40分現在)

もしこのままきょうの最高気温が23.5度で打ち止めとなった場合、秋のスタートとなる9月1日としては、上述した1958年の21.5度以来、63年ぶりの低温ということになります。

もしそうならないにしても、きのう8月31日(火)の32.4度からは約10度も急降下していますので、急にやってきた肌寒さ、気温の変化には十分な注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事