ハリケーン・イルマ、フロリダ上陸 大規模停電に冠水、「マナティー」も出現
恐れていたことが現実のものとなってしまいました。現地時間10日(日)ハリケーン・イルマがフロリダ半島に上陸し、各地に大きな被害をもたらしています。
上陸時の中心気圧は929hPa、最大風速58メートルで、ハリケーンの階級の中で上から2番目に強い「カテゴリー4」の勢力でした。現在やや弱まったものの、暴風・大雨をもたらしながら半島を北上しています。
フロリダの被害
フロリダ南部では3メートルの高潮や、2日間で400ミリを超える大雨が観測され、広範囲で洪水が起きています。また強風で木々がなぎ倒され、多くの建物が損傷を受けています。さらに複数の竜巻も発生しトレーラーハウスが壊され、約400万世帯で停電が起きている模様です。
州の最大都市であるマイアミは直撃は免れたものの、風速40メートルの突風が吹き、ビルの屋上のクレーンが折れ曲がってしまった他、海からの大量の水と大雨の影響で、市街地がまるで運河のようになっています(↑の映像)。
上陸時と現在のイルマ
イルマの上陸時の中心気圧は929hPaでした。これはアメリカに上陸したハリケーンの中で史上7番目に低い記録のようです。
上陸後勢力が落ち、現地時間11日未明の中心気圧は960hPa、最大風速は38メートルの「カテゴリー1」になっています。マイアミなどの州南部では、すでに雨が上がっているようです。
イルマは今後も北上を続け、アメリカ南東部のジョージア州やアラバマ州を通過し、12日(火)には熱帯低気圧に変わる見込みです。
引き潮で出現
ところで、大規模な高潮で冠水が起きている地域もある一方、引き潮によって、海底が姿を現した場所もあります。
その結果、2頭の「マナティー」が海岸で発見されました。アメリカマナティーは人魚のモデルとも言われているほど、可愛らしい見た目が特徴の水生哺乳類です。住民らが力を合わせて海に返したのですが、映像からはかなり大きいと見え、相当な重量だったと思われます。