ロイヤルホストがシンガポールに初進出!ブラックペッパーが効いた現地限定メニューも登場
◎日本ではシンガポール出店記念のシンガポールフェアを開催
みなさんは海外に行ったときに、日本から進出した店舗を見かけたら嬉しくなりませんか? 特に飲食店は「日本とのメニューの違い」や「現地の限定メニューがあるか」など、私は興味津々でSNSで情報をチェックするほどです。
2024年夏、ファミリーレストランのロイヤルホストがシンガポールに初進出しました。直営として海外に出店すること自体が初めてとのことで、アジアの中でも特にシンガポール偏愛人であり、ロイヤルホストファンでもある私は大興奮です。
現地のグランドオープン(7月19日)に合わせて日本のロイヤルホストでは、「ロイヤルホスト シンガポール ジュエル店グランドオープン記念」としてシンガポールフェアを9月まで開催していました。
シンガポール人の胃袋をつかむ屋台施設ホーカー料理に注目し、柔らかく調理した鶏肉を使用したシンガポールチキンライスをはじめ、スパイシーなラクサヌードルやシーフードカレー、ビールのお供にも良いエビを串焼きにしたサテーなどを提供。主に中華系、マレー系、インド系がいる多民族国家シンガポールならではのラインナップでした。
オープン記念のシンガポール料理を一通り制覇し、シンガポールのロイヤルホスト参戦を計画していた私は、「現地に行くならば!」と事前にロイヤルホスト東京本部に取材を申し込み、いざシンガポールへと向かったのです。
※価格表記は現地価格。記事公開時のレートでS$1(シンガポールドル)は約115円。
◎空港降りたらすぐ“ロイホ”!おなじみのメニューが勢揃い
シンガポールの玄関口チャンギ国際空港ターミナル1に降り立つと、すぐに出現するのが高さ40mの巨大な人工滝がシンボルとなっている商業施設「Jewel Changi Airport(ジュエル チャンギエアポート)」です。こちらは、チャンギ国際空港に隣接していて、2019年4月のオープン以来、世界中からの観光客や地元の人たちを楽しませています。
施設内は、飲食店系やファッション・雑貨系、子供から大人までが楽しめるアトラクションなど様々な店舗が揃っています。「ロイヤルホスト シンガポール ジュエル店」はその3階にありました。
ジュエル店は南国の開放感があって、重厚感のある日本の店舗と雰囲気が変わりますね。90席ほどある店内には、スーツケースを持った団体の観光客や現地在住らしき日本人客の姿もありました。
◎シンガポール限定実食!ブラックペッパーソースの“日本の洋食”ハンバーグステーキ
サンプルを見ているだけでもおいしそう。よく見るとちゃんとフォークがパスタを持ったまま宙に浮いていましたよ。これぞ日本ですよね。サンプルは外国人にも日本のお土産としても人気なので目にとまりやすいのではないでしょうか。
メニュー表を見てみると、料理の画像付きで日本語と英語が表記されているので、ロイヤルホスト初心者にもわかりやすいですね。オニオングラタンスープをはじめ、ハンバーグやオムライス、ドリアやパスタといったロイヤルホスト定番の洋食メニューをシンガポールでも食べることができます。なかには、シンガポール限定の珍しい味も。どんな味なのかしら?とワクワクです。
お目当ては牛肉100%のハンバーグステーキ! ロイヤルホストでおなじみのハンバーグステーキに、特製のブラックペッパーソースでいただきます。このソースはシンガポール限定の味として開発されたものなんですって。ハンバーグはオープン当初からダントツの人気だそうです。
スタッフさんがハンバーグにソースをかけてくれると、熱々の鉄板からジュワーっと音を立てた蒸気が一気に立ち上がりました。同時に爽やかなペッパーの香りが一気に広がって、これぞ食欲をそそられる香りです。
「このソースをかける演出はお客様にライブ感を楽しんでもらうために採用しました」と教えてくださったのは、Royal Food Services(Singapore)Pte. Ltd. Managing Director and CEOの藤井 是輔さん。「ホーカー(飲食屋台集合施設)では牛肉とブラックペッパーを合わせた料理があるくらいなので、牛肉のハンバーグとブラックペッパーソースも合うのではないかと思います」(藤井さん)。
ハンバーグは、挽き方の異なる牛肉を混ぜ合わせることで、肉質をしっかり出しながらもジューシーさを重点に仕上げているとのこと。外はカリッと中はジューシーさを感じながらしっかり肉の塊のような肉々しさも味わえて幸せ気分全開です。料理に振りかける定番調味料の胡椒がソースなんてびっくりする人もいるかもしれませんが、ペッパーの粗めな粒感と刺激、爽やかさが心地よい刺激のソースになってごはん(ライスS$3.80)がすすみます。
ロイヤルホストといえば、オニオングラタンスープですよね。ファンの人も多いのではないでしょうか。日本でおなじみのあの味のまま!とろーり玉ねぎにブイヨンの深みあるスープがたまりません。
こちらも昔から愛されている定番デザートですよね。冷たいアイスクリームに温かいチョコレートソースをたっぷりかけて食べ応え抜群。中に砕いたグラハムビスケットが入っているのですが、これがまたおいしいのです。
メニューはQRコードから注文することができますが、メニュー表をじっくり見て決めるのも楽しいですよ。
藤井さんにシンガポール限定メニューのアイデアをお聞きしてみると、「過去にも日本でシンガポールフェアをやっているので、シンガポール料理のレシピはなじみがあります。せっかく日本から進出するのだから日本の味をそのままという思いはありますが、世界をつなげていくことで、シンガポールの味をメニューに採用するのもよいのではないかと思いました」とおっしゃいます。
営業は場所柄モーニングタイムも実施していて、焼魚の和食やオムレツの洋食が用意されています。早朝の空港着・発でも利用しやすそうですね。
さて、興奮冷めやらずの私はシンガポールから東京に戻り、改めて、「なぜシンガポールにロイヤルホストが進出したのか」の話をお聞きするために、ロイヤルホストの母体であるロイヤルホールディングス株式会社の東京本部を訪れました。
シンガポールはグローバルビジネスハブ!成長事業の発掘拠点に最適
話をお聞きしたのは、ロイヤルホールディング株式会社海外事業本部 劉 千春さんです。ここからは、インタビュー式でお送りします。
―シンガポール進出、ジュエル出店を決めた理由は何でしょうか?
「海外進出は以前から視野に入れていて、先に『天丼てんや』がタイ、インドネシア、フィリピン、香港に出店していたので、東南アジア近隣国の出店を狙えると思いました。シンガポールはグローバルなビジネスハブの拠点にするのは最適です。2021年にシンガポールに現地法人を設立してから、物件を探すのにとても時間がかかりましたが、ジュエルに出店を決めることができました。弊社は創業当初は空港で機内食納入を業務としていたので、チャンギ空港のジュエルとご縁があったのだと思います」
―日本のファミリーレストランのスタイルを海外にもっていく不安はありましたか?
「アジア圏、中国やシンガポールもですが、外食文化の国では家族そろって外食することは日常のことですよね。まさにファミリーレストランとして長年のノウハウ、過去の各国のフェア、レシピを蓄積した上で強みになるのではないでしょうか。サービスも“ホスピタリティーレストラン”としての強みと捉えています」
―苦労と感じた点はありましたか?
「シンガポールは畜肉の輸入基準がとても厳しく日本からは持っていくことができませんでした。なので、原材料を変更して商品開発するのにも時間がかかってしまったのです。食材が変わればレシピも変わるので、完成に至るまでが大変。日本と同じ味をと力を入れていたので、想像以上の時間はかかりながらも、一番よい状態でおいしいものが出せています。現地に行った時にハンバーグやステーキを食べながらしみじみ感じました」
―最後に!
多民族国家シンガポールの中で、どのお客様が来ても変わらずに、サービスが気持ち良いなと感じてもらえるように、日本と同じ気持ちで喜んでいただきたいと思っています。
ロイヤルホストシンガポールのインスタグラムを見てみると、シンガポールの中心部オーチャードロードにある「シンガポール高島屋S.C.」に早くも2号店がオープンしたようです。オーチャードロードは、東京でいうと銀座のような華やかな場所。買い物するのが楽しいエリアなので、ランチやカフェタイムにも便利そうですね。
日本と違う雰囲気を感じるのも旅の楽しさのひとつではないでしょうか。旅行者のみなさん、在住日本人のみなさんも、ぜひ日本との違いを味わってみてくださいね。
※会計には、GTS(日本の消費税に相当)9%+サービス料10%が加算されます。(記事公開時点)
【Royal Host Singapore Jewel】
78 Airport Boulevard, Jewel Changi Airport #03-219
https://www.instagram.com/royal_host_sg/
【Jewel Changi Airport】
https://www.jewelchangiairport.com/