開幕前、誰が彼を予想した!?上原浩治が選ぶセ・リーグ前半戦のMVP
プロ野球は19、20日のオールスターを挟み、本格的に後半戦に突入する。ここまでのセ・リーグを振り返ると、阪神が貯金「11」で首位に立っている。
今年は実力に加え、ファンの支持を集める人気は群を抜き、オールスターのファン投票では史上最多10人が選出された。選ばれた選手の中には、成績に満足できていない選手もいるだろうが、私自身はファン投票なのだから、ルールの中での結果に異論を挟む気はない。けがによる辞退はやむを得ないが、「オールスターでプレーを見たい」と投票したファンに結果で恩返しをすればいいと思う。
前半戦のセ・リーグMVPには、チームを牽引した阪神から大竹耕太郎投手を挙げたい。
オフに初めて実施された「現役ドラフト」でチームに新加入。ここまで7勝(1敗)した左腕の貢献度は大きい。開幕前、私は阪神を優勝と予想していたが、根拠の中には、2年連続で最多勝と最高勝率のタイトルを獲得したエースの青柳晃洋投手の勝ち星がかなり計算に入っていた。その意味では誤算だったが、大竹投手や6勝(5敗)をマークした村上頌樹投手の勝ち星が帳尻を合わせて余りある結果をもたらしたことになる。
阪神戦をたくさん見ているOBの解説者の方に話を聞くと、大山悠輔選手を前半のMVPに推す声が多かった。成績だけをみれば、もっと数字を残せる選手だと思うのだが、全力疾走などがチームの雰囲気に好影響をもたらしている点が評価されているそうだ。数字に見えないところでの頑張りは「あっぱれ」である。
首位の阪神はここまで開幕前の予想通りだが、2位以下はかなり外してしまっている。2位ヤクルト、3位巨人、4位DeNA、5位中日、6位広島にしていた。広島が2位まで追い上げ、3位のDeNAまで首位から3ゲーム差以内。巨人も勝率5割ラインにいる。後半戦の戦いはおもしろくなってきた。
毎年、真剣に予想をしているのだが、開幕前に順位を当てるのは何年やっても難しい。開き直るつもりはないが、選手のけがは予想できず、新戦力の台頭もあり、評論家の予想が当たらないからこそ、プロ野球は面白く、シーズンも盛り上がるということで理解してもらえたらうれしい。