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40代からはソロ温泉の適齢期!「ひとり旅で訪ねたい温泉地」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

40代はひとり温泉旅(ソロ温泉)の適齢期だ、と思う。理由はいくつかある。

①体力が落ち、疲れやすくなる

②仕事で責任ある立場となり、ストレスがたまりやすい

③子育てが一段落して自由な時間ができる

④そろそろ温泉の気持ちよさがわかる年代である

⑤人とスケジュールや価値観、趣味が合わなくなる

人それぞれ置かれている環境は違うかもしれないが、40代になると自然と温泉が好きになるという人は少なくない。そもそもゆっくり寛ぐことが目的の温泉と、行動力のある若い世代は相性がよくない。40代になって気力や体力が衰え始めると、温泉地のリズムが馴染んでくるのかもしれない。

また、40代になると昔と違って一人で行動することに抵抗感がなくなる人も多い。むしろ自分なりの価値観や趣味に合わせて、自由に旅したいという欲求に駆られるようだ。

そんな人にはソロ温泉がおすすめ。ひとりで温泉に入りながら自分だけの時間を過ごしてみてはいかがだろうか。狙い目は、観光客がそこまで多くない、落ち着いた温泉地である。今回は、ひとり旅に向いている温泉地を5カ所紹介しよう。

下部温泉(山梨県)

山あいに佇む素朴な温泉地で、1200年の歴史をもつ古湯。歓楽的要素のない温泉街は、昭和の時代から時が止まってしまったのように静かで心が落ち着く。昔から湧く20~30度代のぬる湯が特徴で、温冷交互浴に励む湯治客も多い。夏場には最高である。源泉にこだわるなら足元湧出の古湯坊源泉館で、湯治向けである。静かな温泉地で、ひとり旅にはもってこい。

四万温泉(群馬県)

群馬県には草津や伊香保などの有名温泉地があるが、ひとり旅で訪ねるには少々にぎやかである。その点、四万温泉は観光客も多すぎず、静かな時間が流れている。特に『千と千尋の神隠し』のモデルとなったとされる老舗旅館「積善館」周辺は湯の街情緒にあふれ、昭和感が漂う。温泉街に沿って流れる四万川の渓谷美も魅力で、渓流を望む露天風呂が名物の宿も多く、四季折々の風景を楽しめる。源泉豊富で、それなりに規模の大きい温泉街だが、素朴でレトロな雰囲気が残っているのは好感がもてる。

長湯温泉(大分県)

里山の風景が和む温泉地。同じ県内の別府や由布院などと比べて、静かな環境が魅力だ。炭酸泉という貴重な泉質が湧くだけでなく、温泉施設はいずれも源泉かけ流しである。温泉宿が立ち並ぶ芹川の河川敷にあるのが、名物の露天風呂「ガニ湯」。野ざらしなので入浴には勇気がいるが、ほかにも共同浴場や日帰り入浴施設が充実しているので、湯浴みには困らない。湯治客用の宿が多いので、ゆっくり連泊するのもおすすめ。

肘折温泉(山形県)

山あいに湧く静かな温泉地だが、伝統的な湯治場の景観が今も残る。長期の湯治客が多いのも特徴で、日用品や食料品をそろえた商店もある。早朝、温泉街に朝市が立つのも見どころのひとつ。ひとりでもリーズナブルに宿泊できる宿が多く、プチ湯治体験を楽しみたい。連泊でゆっくり過ごすのもよい。

湯の峰温泉(和歌山県)

開湯1800年、日本最古の湯としても知られる山あいの温泉地。古くから熊野詣の湯ごり場として知られ、世界遺産の中で唯一入浴できる温泉地でもある。足元湧出の共同浴場「つぼ湯」はぜひ入浴したい。自然と温泉以外はほぼ何もないが、熊野古道など歴史を存分に感じられるスポットで、歴史や温泉が好きな人には最高の環境といえる。小規模の宿が多く、静かな時間を過ごせるのが魅力だ。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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