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62試合で50敗のチームが5連勝は奇跡!? シーズン110敗以上の歴代チームにも5連勝はあったのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、S.ブラウン、J.ブレデイ、R.ローレアーノ Jun 7, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 オークランド・アスレティックスは、開幕から62試合で50敗を喫した。その間の連勝は2度。どちらも2連勝に過ぎず、3連勝以上はなかった。

 63試合目から67試合目まで、アスレティックスは負けることなく、現時点では5連勝を継続している。

 ここまでの67試合は、17勝50敗。勝率は.254だ。この勝率を162試合に当てはめると、41勝121敗(勝率.253)か、42勝120敗(勝率.259)となる。

 また、ここからの95試合の勝率が、直近20試合の勝率.350(7勝13敗)と同じでも、シーズン全体の黒星は110を超える。17勝50敗+34勝61敗(勝率.358)=51勝111敗だ。

 ナ・リーグとア・リーグにおいて、シーズン110敗以上は、延べ23チームを数える。そのうちの19チームは、5連勝以上が一度もなかった。

筆者作成
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 あとの4チームは、1963年のニューヨーク・メッツ(111敗)と2019年のデトロイト・タイガース(114敗)が5連勝、1969年のサンディエゴ・パドレス(110敗)と2013年のヒューストン・アストロズ(111敗)は6連勝を記録している。5連勝以上は、それぞれ1度ずつだ。

 今シーズンのアスレティックスと違い、4チームとも、これらの連勝の時点では、シーズン110敗以上のペースではなかった。1963年のメッツと2019年のタイガースは、5連勝の時点で13勝15敗と7勝3敗。1969年のパドレスと2013年のアストロズは、6連勝の時点で24勝30敗と21勝37敗だ。2013年のアストロズは、この時点でも大きく負け越していたが、シーズン全体がこの勝率――21勝37敗=勝率.362――の場合、103敗か104敗となる。100敗以上とはいえ、110敗未満のペースだった。

 6月12日の試合も勝つと、アスレティックスの連勝は6となる。

 ハードルは高い。相手はタンパベイ・レイズだ。ここまでの勝率.706(48勝20敗)は、両リーグ・ベスト。他の29チームは、いずれも勝率.650未満だ。

 最も勝率の高いチームと最も勝率の低いチームの試合、ということになる。

 ただ、アスレティックスは、直近の2シリーズでピッツバーグ・パイレーツとミルウォーキー・ブルワーズと3試合ずつを行い、2勝1敗と3勝0敗、●○○と○○○を記録している。レイズほどの勝率ではないものの、パイレーツもブルワーズも、アスレティックスに最初の黒星を喫する前の時点では、地区首位に位置していた。

 なお、6月13日のレイズ対アスレティックスには、こんな企画もある。

「不人気球団のファンが「逆ボイコット」を企画」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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