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滝川クリステルさん第2子妊娠発表で考える、晩婚&高齢出産の夢と現実

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:アフロスポーツ)

■滝川クリステルさん、46歳で第2子妊娠発表

滝川クリステルさん(46歳)が自身のラジオ番組で、第2子の妊娠とともに、11月に出産予定と報告し、話題になりました。自身のインスタグラムでは大きなおなかを写した全身ショットも公開していらっしゃいます。クリステルさんは2019年8月に小泉進次郎衆議院議員と結婚、翌年1月に第1子が誕生しており、出産当時42歳という年齢も注目されました。

初産が35歳以上だと高齢出産にあたりますが、女性の出産年齢は高齢化しています。令和4年度は40代女性の出生数は約4.8万人で、総数77万人のうち約6%を占めます。出生数が減少する中、45歳以上の出生数は増加しています(厚生労働省 令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況より)。

まず、少子化・高齢化の現代において、46歳で出産というのは明るいニュースです。30代後半、40代の婚活女性にとっての希望になる一方で、婚活現場では夢を見すぎる方が増えるのではという懸念もあります。

以前、加藤茶さんが45歳差婚をした際に、自分も年下女性と結婚できることを信じた高齢男性が結婚相談所に詰めかけた現象がありました。

同様に、国内外で著名人やセレブが幸せな高齢出産を公表することは同世代の皆さんに希望を与えますが、どうしても婚活現場では“現実の壁”が立ちはだかることがあります。

■45歳婚活女性の希望は「子供が2人欲しいので、精子が元気な方」

実際の婚活現場の事例をお伝えします。ある45歳の女性が「子供はが2人欲しいので婚活をしたい」と相談に来られ、「私は一人暮らしで夜勤もありますが、食事にも気をつけているし、ジム通いをしていて健康体です。お相手の男性には、精子が元気な方を希望します。できれば30代、健康的な生活をしているなら40代前半か、2~3歳年上くらいまでなら許容します」とおっしゃいました。本人にはハッキリとお伝えしにくいことですが、「お子さん2人希望というのは、どうでしょう。可能性は0ではないのですが……」と、その難しさをお伝えしました。

一般的に、女性が40代以降になると妊娠しづらくなりますから、それを見越した婚活を意識していただく年頃です。婚活、妊活、妊娠期間を合わせると、スムーズに行っても3年ほどかかりますから、45歳であれば出産時は48歳ということになります。そうなると、すでに子供がいる再婚の男性、または必ずしも子供にこだわらない男性と、子育てだけを目的にしない結婚を見据えたマッチングが良いでしょう。絶対に子供が欲しいと思っている男性は、女性の希望年齢を35歳まで、37~38歳を上限として探しますから、45歳となるとそもそもお見合いが成立しにくくなります。

■老後資金と教育費と住宅費が重なる高齢出産、妊活の費用も……

さらに現実的な話をすることもあります。それはお金です。

結婚・出産の年齢が上がると、住宅費と教育費と老後資金という人生三大資金が重なってきますから、金銭面でも下準備が必須となります。 45歳以上で出産すると、お子さんが中高校生のときに、ご自身とご主人は何歳になりますか? 大学入学というお金がかかる時期に、親が年金生活となると厳しいものです。おじいちゃんおばあちゃんは何歳でしょう。子育てを手伝ってもらうどころか、子育てと介護を両立する準備はできていますか? そうなると、ご自身とお相手の現在の収入、預貯金、資産はどれくらいでしょうか?

いまや30代後半になると婚活で、「妊活費用はどれくらい出せますか? 私は600万円出せますが、あなたはどうですか?」という話し合いをするのが新常識となっています。妊活にもまたお金の問題が絡んでくるのです。

日本経済新聞によれば、米国では2019年から2021年にかけて卵子凍結が39%増加したそうです(ASRM学会誌「Fertility and Sterility」掲載の論文より)。日本でも今後増えていくと思われますが、こちらもやはり先立つものが必要です。

「子供を産み育てたい」という想いは素晴らしいのですが、「ただ産みたい」「産めばどうにかなる」という考えだけでうまくいくとは限らないのです。

女性の社会進出により、仕事を優先したいからこそ、早めに結婚・出産に向けて打ち手を検討することは本人にとっても良いことです。一方で、年齢によっては子育てを結婚の目的とはしない、という視点を持ってみる必要もあるかもしれません。

いずれにしても、人生の計画を早いうちに立て、自分は何を重視し、いつ何をすべきか、ということをあらかじめ考えておくことが重要です。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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