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夫婦で子育てや教育の考え方が違う! どうすればいい?

親野智可等教育評論家
(写真:アフロ)

夫婦で子育てや教育についての考えが違って困る、という話をたびたび聞きます。

以前話を聞いたYさん夫婦もそうでした。

例えば、ママは食事と定時のおやつ以外は子どもに食べさせたくないのに、パパはけっこう気ままに食べさせるそうです。

また、「今日は玩具は買わない」と約束して出かけても、ママが買い物中にパパが玩具を買い与えるなどということもあるそうです。

このように夫婦で子育て観が違うのはよくあることです。

というより違いがあるのが普通ですし、違いがあって当然とすらいえると思います。

なぜなら、生まれつきの資質も育ってきた環境や経験も全く違うからです。

また、それによって作られてきた価値観も全然違う極めて個性的な人間同士なのですから。

でも、親の価値観が違うことで子どもにとってよいこともあります。

例えばママが「ダメ」と言ってパパが「いい」と言ったとき、あるいはその逆のとき、子どもは一時的に混乱しますがいろいろな考え方があることを知り自分で考えるきっかけになります。

逆にママとパパの考えがいつも同じというのは、子どもが多様な価値観に触れられないということでもあります。

子どもにとってママとパパの影響は圧倒的に大きいので、ママとパパの考えがいつも同じですと、それを信じ切ってしまうという状態になります。

このようなことを頭に入れた上で、夫婦で考えが違うときの対策について考えてみたいと思います。

私は、やはり共感的かつ民主的な話し合いが大切だと思います。

つまり、お互いの考えを共感的に聞き合い、着地点を探して冷静に民主的な話し合いをするということです。

言い換えると議論ではなく対話が大事ということであり、これが王道だと思います。

日本語には「腹を割って話し合う」というとてもよい表現がありますので、日本人は昔からこういう話し合いの大切さを知っていたのだと思います。

これは特別な方法ではないですしある意味月並みではありますが、実際にできている夫婦は少ないようです。

まず最初の一歩は、相手の話を共感的に聞くところからスタートです。

「そんなのただの理想。どうせ無理」と決めつけずに、ぜひ、やってみてほしいと思います。

そうすれば意外と道が開けるかもしれません。

とにかく、子どもの前で感情的に言い争うのは避けてほしいと思います。

教育評論家

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOk』などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Instagram、Threads、Twitter、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。オンライン講演も可。お問い合わせは親野智可等の公式サイトから

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