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W開幕投手のソフトバンク千賀。“予行演習”で直球、フォークに手応え

田尻耕太郎スポーツライター
2軍でも開幕投手を務めたソフトバンク・千賀滉大投手(筆者撮影)

小川新2軍監督、初陣を逆転勝利で飾る

3月16日、ソフトバンクはウエスタン・リーグの開幕戦を本拠地のタマホームスタジアム筑後で迎え、阪神と対戦した。

【3月16日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1,997人】

阪神     001003200 6

ソフトバンク 10200031× 7

<バッテリー>

【T】福永、●尾仲(0勝1敗)――長坂

【H】千賀、笠原、渡邉雄、○小澤(1勝0敗)、S二保(1セーブ)――堀内、九鬼

<本塁打>

なし

勝利して笑顔を浮かべる小川2軍監督(中央・筆者撮影)
勝利して笑顔を浮かべる小川2軍監督(中央・筆者撮影)

<戦評>

 ソフトバンクが開幕戦を飾った。リードを許す苦しい展開だったが、7回裏に3番・牧原大成のタイムリー、相手バッテリーミス、5番・塚田正義のタイムリー二塁打で同点とした。塚田はこの日2本目のタイムリーで、この日2安打3打点の活躍だった。そして8回、先頭の6番・黒瀬健太が二塁打で出塁。代走で出場した古澤勝吾が相手暴投で三進した際に、捕手が悪送球をして勝ち越しのホームを踏んだ。最終回は2死満塁のピンチを迎えたが、二保旭が何とか抑えて逃げ切った。5年ぶりに現場復帰した小川一夫2軍監督にとっては嬉しい1勝目となった。(了)

”開幕”を終え、”開幕”へ千賀滉大「ステップアップできた」

 1軍の開幕投手に内定している千賀滉大が、2軍でも開幕投手を務めた。

 予定されていた5回を79球で投げきり、被安打5、与四球2、奪三振6で失点1の結果だった。2回までは先頭打者を出し、毎回走者を背負った。一見すれば苦しい投球にも映ったが、千賀本人は登板後に「前回よりもステップアップできた」と前向きな言葉を残した。

「今日は曲げ球というか変化球でしっかりカウントをとることをテーマにしていました。フォークの落ち、ストレートも良かった。全体的にはやりたいことをやれたかなと思っています」

6者連続Kの豪州戦、じつは「全然ダメ」だった

 千賀は今月3日、侍ジャパンの強化試合(オーストラリア戦)でも“開幕投手”を任せられた。2回を投げて6者連続奪三振とこれ以上ない好結果を残したが、じつは千賀本人は「全然ダメです。(打線の良い)楽天や西武が相手だったら5点くらい取られていたかも」と悔しがっていた。10日のオープン戦(ロッテ戦、タマスタ筑後)では4回3失点。「内容的には代表戦よりも上」と話しており、シーズン本番に向けて右肩上がりで調子を上げている。

 この日のストレートは最速153キロをマーク。フォークは常日頃から「ベースの上でワンバウンドさせるイメージ」と話すが、ここまでの調整期間ではかなり手前でバウンドさせることが多かった。この日もその傾向は見られたが、登板最終イニングの5回には絶妙のフォークをきっちり投げ込み、この回のアウト3つはすべて三振で奪った。

 1軍開幕戦の30日まで、登板機会はあと一度。開幕戦からちょうど1週間前の23日の広島戦(ヤフオクドーム)での登板が確実視される。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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