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ハリケーン・カトリーナを経験した7戦全勝6KOのスーパーバンタム級

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Stephanie Trapp/TGB Promotions

 1996年7月26日生まれのマイケル・アンジェレッティは、東京五輪開催が予定通り2020年のままであったなら、オリンピアンとなっていた可能性があるアマチュアのトップ選手で、米国代表チームに名を連ねていた。

 アマチュア時代はフライ級だったが、現在はスーパーバンタム級。このほど、プロ7戦目のリングに上がった。

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 ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のアンジェレッティは、2005年8月末に当地を襲ったハリケーン・カトリーナの被害に遭う。

 当時を振り返って彼は言う。

 「俺が育ったのはルイジアナ。ハリケーン・カトリーナ直撃の後、シェルターを転々とした。落ち着いたのはテキサス州スプリングさ。そこでボクシングと出会い、人生の一部となった。

 テキサスの学校で"余所者"としてからかわれ、自分を守る術としてジムに通い始めたんだけどね…。次第にパッションになっていった」

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 五輪候補選手としてベルギー、英国、ルーマニア、ニュージーランドに遠征。2018年にポーランドで催されたFeliks Stammトーナメントでは銅メダルを獲得している。東京五輪を見据えていた折、アンジェレッティは語ったものだ。

 「この位置にいるのは、神の思し召しだ。神も理由があって俺をこうしているのだと思う。世界で戦うことが目標だ。大舞台の方が自分の力を発揮できる。オリンピック・トレーニング・センターには素晴らしいコーチが揃っていて、俺をグングン伸ばしてくれる。成功者となるために必要なことを学んでいるよ」

Stephanie Trapp/TGB Promotions
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 2020年12月にプロに転向したアンジェレッティは「自分より体の大きな選手とのスパーリングを可能な限り重ねている」と話す。

 先日はジェレミー・アドルノを5回終了TKOで下して、自身の戦績を7戦全勝6KOとした。このラウンドまでの採点は、ジャッジ全員が49-44としていた。

 「ハリケーン・カトリーナの被災地から這い上がった男」であるマイケル・アンジェレッティに注目だ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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