アジア王座の奪還へ--ドラフト候補が揃う社会人日本代表が内定
10月2日から台湾の新北市、台北市で開催される第28回BFAアジア野球選手権大会に臨む日本代表24名が内定し、全日本野球協会から発表された。
アジア王座を奪還するために本格的に強化
この大会は、かつてはオリンピック予選も兼ねており、その際には日本、韓国、チャイニーズ・タイペイがプロ選手を主体にしたチームで出場した。北京オリンピックを最後に野球が正式競技から除外されたことで、再びアマチュアによる大会に戻ったものの、最近では韓国が兵役中のプロ選手、チャイニーズ・タイペイもプロとアマチュアの混成チームで出場してくることがあり、社会人と大学生による編成で臨む日本にとっては簡単に優勝できる大会ではなくなった。
それでも、2012年に韓国とチャイニーズ・タイペイを僅差で破り、2003年大会からの連覇を5と伸ばしたが、前回2015年大会では両チームに敗れて6連覇を逃し、3位に沈む屈辱を味わった。また、次回は2018年にインドネシア・ジャカルタで開催されるアジア競技大会でも長く王座から遠ざかっているため、社会人は徹底した育成と強化に取り組み、11月中旬から台中市などで行なわれるアジア・ウインター・ベースボールにもエントリーした。
そうした流れの中で出場する今大会には、すべて社会人の24名を選出。各種大会で活躍した選手を2回の選考合宿で絞り込んだメンバーだけに、韓国とチャイニーズ・タイペイがどんなチーム編成で臨んできても、十分に優勝を狙える戦力が整った。
チームを率いるのは、慶大出身で、元東京ガス監督の石井章夫監督。選手たちに「結果よりも持ち味を存分に発揮してほしい」と求めながら、大会への展望をこう語る。
「パワーやスピードでは韓国やチャイニーズ・タイペイが勝っていると受け止めているので、先頭打者が出塁したらバントで送るといった日本らしい堅実さだけでは上回れない。そこで、足や小技も駆使してチャンスを広げていく戦術も試しながら、そうした多彩な攻撃をこなしてくれる選手を選出した。今秋のドラフトで指名される選手もいると思うが、強化のスタートとして好成績を残したい」
国際大会で実績を残しているベテランの佐竹功年(トヨタ自動車)やドラフトの目玉と評される田嶋大樹(JR東日本)が軸となる投手陣に、広島で活躍する田中広輔の実弟・田中俊太(日立製作所)や高校、大学とジャパンのユニフォームを着てきた笹川晃平(東京ガス)らイキのいい若手が揃う野手陣で、アジア王座の奪還はなるか。
新生・社会人日本代表の戦いぶりに注目したい。
[第28回BFAアジア野球選手権大会日本代表]
●監督
71 石井章夫(東京ガス)
●コーチ
72 棚橋祐司(王子)
73 若林重喜(JX-ENEOS)
74 杉浦正則(日本生命)
●投手
11 渡邉啓太(NTT東日本)
13 鈴木健矢(JX-ENEOS)
14 平尾奎太(Honda鈴鹿)
15 阿部良亮(日本通運)
16 鈴木博志(ヤマハ)
17 田嶋大樹(JR東日本)
18 谷川昌希(九州三菱自動車)
19 佐竹功年(トヨタ自動車)
●捕手
22 山内佑規(東京ガス)
24 大城卓三(NTT西日本)
27 木南 了(日本通運)
36 細山田武史(トヨタ自動車)
●内野手
2 田中俊太(日立製作所)
4 北村祥治(トヨタ自動車)
6 渡邉貴美男(JX-ENEOS)
7 藤岡裕大(トヨタ自動車)
8 福田周平(NTT東日本)
9 若林晃弘(JX-ENEOS)
10 伊礼 翼(王子)
●外野手
1 神里和毅(日本生命)
3 長谷川拓真(JR東日本)
23 佐藤 旭(東芝)
25 菅野剛士(日立製作所)
28 笹川晃平(東京ガス)