"天国に一番近い島"にサイクロン直撃 週後半には洪水発生中のニュージーランドへ
「天国に一番近い島」と称されるほど、白亜の砂浜とアクアブルーの海が美しい南半球ニューカレドニア。
10日(月)午後、この島をサイクロン・クックが直撃しました。
島通過時の中心気圧は961hPa、最大風速は44メートルで、勢力は上から3番目に強いカテゴリー3(非常に強い台風に匹敵)でした。この規模のサイクロンがニューカレドニアを直撃するのは、2003年以来です。
ニューカレドニアでは空の便が欠航、ココナッツの木々が倒れ道を封鎖、島の主要産業であるニッケル鉱の採掘が中止になるなど、影響が出ている模様ですが、夜が明けてから、さらに被害が明らかになると思われます。
クックは今後勢力を弱めながら南へと進み、温帯低気圧となって、14日(金)までにニュージーランドの北島に接近する見込みです。
「500年に一度」の雨が降ったニュージーランドへ
これは先週ニュージーランド北島・エッジカムで撮られた映像です。大雨の影響で川の堤防が決壊し、水が流域の住宅地に一気に流れ込みました。
この雨は「500年に一度」とも称されるほどの記録的な雨でした。原因は、先々週オーストラリア東部に上陸し、6名の死者を出したサイクロン・デビーから変わった温帯低気圧です。
2か月分の雨がたった2日間で降り、1メートルも水に浸かったところもあり、町民2,000人がジェットボートなどで救助されました。
このように、すでに先週の大雨で洪水が発生しているところに、クックの接近に伴い、今週後半にかけても大雨が予想されているのです。
干ばつから洪水へ
この状況では想像しにくいのですが、実はニュージーランドは2月まで深刻な水不足に悩まされていました。たとえば北島のギズボーンの町は今年1月、過去112年来でもっとも雨の少ない1月を記録しています。
干ばつの後の、歴史的大洪水―。ニュージーランドは今年、相次いで極端な天候に見舞われています。