ウズベキスタンで開催されているAFC U-23アジアカップ。現地時間で本日午後10時から行われる準々決勝は日本対韓国の“宿命のライバル対決”となったが、韓国はどんなチームなのか。

まず、日本は大岩剛監督率いるU-21代表が今大会に出場しているが、韓国はU-23代表だ。チームを率いるのは、かつてJリーグのセレッソ大阪、柏レイソルでプレーし、セレッソ時代の1999年にはJリーグ得点王にも輝いたファン・ソンホン。

韓国代表としても4度のワールドカップを経験し(98年大会はケガで試合出場はなし)、引退後は指導者に。釜山(プサン)アイパーク、浦項(ポハン)スティーラーズ、FCソウル、大田(テジョン)ハナシチズンなどを指揮し、浦項やFCソウルではリーグ優勝に導いた。

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U-23韓国代表の監督に就任したのは東京五輪が終わった昨年9月。ただ、昨年10月のU-23アジアカップ予選でフィリピン(3-0)、東ティモール(6-0)、シンガポール(5-1)と行なった試合以外は国際試合はゼロ。昨年11月、今年1月と3月に強化合宿を行って国内チームと強化試合を行なう程度だった。

今回のU-23アジアカップも韓国代表の6月Aマッチ4連戦と日程が重なったため、オム・ウォンサンなど数名の選手はA代表に取られたが、それでも現時点で招集できる選手を呼び集めた。

例えば海外組だ。マジョルカで久保建英と同僚のMFイ・ガンイン（21）、グラスホッパーで川辺駿、瀬古歩夢らと同僚のMFチョン・サンビン（20）、LASKリンツで中村敬斗と同僚のMFホン・ヒョンソク（22）が選ばれた。

Jリーグから清水エスパルスのFWオ・セフン（23）が選出。かつて松本山雅FC、ヴァンラーレ八戸に所属したGKゴ・ドンミン（23）、元モンテディオ山形のGKミン・ソンジュン（22）も名を連ねた。

また、韓国のこの年代は2019年U-20ワールドカップで準優勝しているが、前出のイ・ガンインやオ・セフンを含め、そのときのメンバーが8名いる。

そんな中で今大会絶好調なのが、チョ・ヨンウク(23)だ。2017年、2019年の2度のU-20ワールドカップに出場し、A代表招集経験もあるFCソウルの若きストライカーは、マレーシア戦で2得点、ベトナム戦でもゴールを決めている。

いずれも途中出場から決めており、日本戦でもスーパーサブとして起用されるかもしれない。

また、日本はチョン・サンビンとコ・ジェヒョンにも警戒すべきだろう。

チョン・サンビンは爆発的なスピードを誇り、韓国では“K-エムバペ”と呼ばれている有望株。大邱FCに所属するコ・ジェヒョンは今季Kリーグ1で12試合6ゴール1アシストとブレイク中。豊富な運動量を活かした中盤からの果敢な攻撃参加が持ち味で、今大会でもグループリーグ最終戦のタイ戦で決勝ゴールを決めた。

そして、やはりイ・ガンインだろう。

昨年3月の日韓戦以降はA代表に招集されず、昨年の東京五輪でもパッとせず。韓国でもスピード不足と守備意識の足りなさを指摘されていたが、今大会では攻撃はもちろん、守備にも積極参加して評価を高めている。イ・ガンインのキープ力と左足から放たれるパスが威力を発揮すれば、日本も苦戦を強いられるかもしれない。

なお、ファン・ソンホン監督は今大会、主に4-1-4-1を採用し先発イレブンも毎試合変えてきた。さまざまな組み合わせをテストしているのだろうが、日本戦ではどんな先発ラインナップとなるか。

ちなみにファン・ソンホン監督と大岩剛監督は現役時代にJリークで対戦。1998年、1999年、2001年で計4度対戦しており、ファン・ソンホン監督が2試合でゴールを決めている。

そういった過去のデータや、オ・セフン、松岡大起、鈴木唯人の清水エスパルス対決などの情報も踏まえて今日の対決を見守るのも一興かもしれない。