バイデン大統領 女王の国葬には「参列」を表明。米国でも愛されたエリザベス女王、今も速報続く...
エリザベス女王(Queen Elizabeth II)が現地時間9月8日に逝去した。
英国のトラス新首相が訃報を知らされたのは、英メディアによると現地時間(BST)午後4時30分(米東部時間(EST)午前11時30分)ごろだったようだ。
アメリカではその日の午前中、女王の容態が非常に悪いという噂がソーシャルメディアで囁かれ始めていたが、まさかその数時間後に訃報が届くとは、誰が予想しただろうか。
英BBCのキャスターがその数時間前にツイッターで誤報を流すなど混乱があったものの、逝去が米メディアで公式発表されたのは、午後1時30分(EST)ごろのことだ。
つい2日前の6日、トラス首相を任命し、杖をつきながらも元気そうな女王の姿が公開されたばかりのタイミングで、全米に衝撃が走った。
逝去の報から24時間経った今でも、アメリカでは女王の死とチャールズ新国王の即位のニュースが、ありとあらゆるメディアの一面を飾っている。
アメリカ人の王室や皇室の見方については、以前「ここは、王室のないデモクラシー(自由と平等)の国だから、人々は王室や皇室に関心を示さない(スキャンダルがない限り)」というニューヨーカーの証言をもとに、筆者は記事にしたことがある。
それでも地元メディアの記者に話を聞くと、言語や文化がアメリカと類似している英王室だけは「別格」ということだった。そして昨日今日の報道合戦を見ていても、アメリカがいかに英王室に関心が高く、在任期間の長く高齢だったエリザベス女王に心を寄せてきたか、窺い知ることができる。
米アップルは同社の公式サイトのトップページ(全言語)を、エリザベス女王の若かりし頃の写真を使ったデザイン(上の写真)に差し替え、哀悼の意を表している。
米タイム誌は、逝去が公式発表されたのとほぼ同時刻に、エリザベス女王の表紙を発表し、その生涯を振り返る記事を、異例の早さでアップした。女王は昨年10月以降体調が悪化し、また今年2月には新型コロナに感染したと報じられていた。96歳という年齢を考えると、おそらくこれらの記事は準備されていたのだろう。
8日午後2時半過ぎにタイム誌が発表した、表紙の解説記事でも「(療養先の)バルモラル城で医師の管理下に置かれていた女王の死は、予想外のことではなかった」と書かれている。
- 表紙は、エリザベス女王が42歳だった1968年、英国の写真家セシル・ビートン(Sir Cecil Beaton)氏によって撮影されたもの。
【豆知識】高齢の著名人の訃報、および速報について
アメリカではメディアがいち早く公開するために「下書き」、つまり準備している事実が、最近明るみに出たばかり。今年7月、73歳で亡くなったイヴァナ・トランプ氏の訃報の際、米ABCニュースでは、下書き原稿のタイトルに付けられていた「DO NOT PUB」(出さない)という文字が削除されずに、世に出てしまった。該当記事はすぐに修正されたが、削除前の記事を見た読者の間で「DO NOT PUBとはどういう意味だ?」と話題になった。参照
バイデン大統領 女王の国葬に「参列」
世界中に愛されたエリザベス女王は、これまで歴代大統領13人と面会するなど、アメリカとは特に親密な関係を築いてきた。
早速バイデン大統領は、エリザベス女王の国葬には出席する意向があるという続報も報じられている。
日本で今月27日に予定されている安倍晋三元首相の国葬には欠席し、代わりにハリス副大統領が参列することが報じられたばかりだった。バイデン大統領は9日、記者団を前に、チャールズ国王とはまだ話をしていないと述べ、詳細は未定だが、女王の葬儀には行く予定であると明かした。このような大統領の意志からも、いかに米英両国が近しい関係かがわかるのではないだろうか。
(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止